ヒロ

不滅の物語 オーソン・ウェルズのヒロのレビュー・感想・評価

3.5
下界と断絶された閉鎖的な室内で行われる暇を持て余した貴婦人の遊びとくればソクーロフの『痛ましき無関心』を想起せずにはいられないし、ファムファタルなJモローといえばジョセフロージーの『エヴァの匂い』にてスタンリーベイカーと情事の流れになった次のカットが噴水からパンダウンな変態潮吹きモンタージュが思い出される、その対抗馬筆頭としては西川美和『ゆれる』にてJオダギリと真木よう子がベローチェした次のカットがガソリンスタンドにおける給油のクローズアップなインサートの挿入なのか挿入のインサートなのかもはや映像でsexしてる例のあの繋ぎ、本作の蝋燭を吹き消すJモローが鏡に反射するシーンなんかには『上海から来た女』のラストシーンが必然的に出てくるし、そうなればそれをオマージュした『燃えよドラゴン』の鏡の間が思い出される“考えるな感じろ”………そうか、これは感じる映画かと気付いたときにはもう終わっていた。そんなこんなで僕の集中力は色んなところに飛び散らかしていた。オープニングの漢字の垂れ幕が妙にエモかった。漢字とウェルズ。

《ゴーモン映画〜映画誕生と共に歩んできた歴史〜》
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