イチロヲ

ココナッツのイチロヲのレビュー・感想・評価

ココナッツ(1929年製作の映画)
3.0
リゾート地の三流ホテルを経営している男が、富豪がもたらした高級ネックレスの強奪作戦に巻き込まれてしまう。戦前戦後のハリウッド喜劇を牽引したグループ、マルクス兄弟の長編第1作目。

グルーチョがホテルの経営者、ゼッポが受付係、チコとハーポが放浪の泥棒コンビ、という役どころ。ネックレス略奪を企んでいる貴婦人が、マルクス兄弟に濡れ衣を着せようとするのだが、正真正銘のバカを相手にしたものだから、返り討ちに遭ってしまう。

女優陣のモダン・ファッションが見目麗しく、ジーグフェルド・フォリーズをコンパクト化したような、綺羅びやかなレヴューを魅せてくれる。とりわけ、男装のウェイターに扮したダンサーたちが、ホテルのロビーで唐突に踊りまくるシーンがあまりにも愉快。

グルーチョの言葉遊び、ハーポのハープ演奏、チコのピアノ演奏など、各人が得意としている芸をバランス良くフィーチャーしている。全体的にマルクス兄弟の舞台劇を、ひたすらカメラ撮影しているような印象を受ける。
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