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ウィンダミア夫人の扇のBaadのレビュー・感想・評価

ウィンダミア夫人の扇(1925年製作の映画)
3.8
元々一昼夜のうちに起こる出来事を描いた原作を2時間以上もかけてみせるのはサイレントゆえにセリフなしで状況説明をしなければならないためで、そのために少しテンポがゆっくりに感じられるのが見ていて少々苦痛でしたす。

とはいえ、そうした制約の中でも原作における登場人物の性格設定や筋の運び方はきちんと踏襲しており、かなり忠実な映画化となっているのは見事です。

ここまで映画化できるのなら、トーキーだったらさぞかし素晴らしい作品になったのだろう、と思えるのですが、このときの成果は『生きるべきか死ぬべきか』などに上手く生かされているのでしょう。

魅力的ではあるけれど、いささか変人で男勝りのマーガレットの気質はその後のスクリューボイルコメディーのヒロイン達の原型になったのかも知れません。

ルビッチの映画をもっと観てからこの作品について再び語りたいと思いました。

(2005/11/14 淀川さんの解説付きVHSにて鑑賞)

*のちに知ったのですが、VHSだとサイレントはテンポがゆっくり目に再生されることがあるそうです。上映を見た方はテンポの遅さを感じなかったとのこと。
また、私の持っていたVHSの再生時間は1時間55分、DVDは70分台でした。両方見たわけではないので理由はわかりませんが、マスターテープが違うのかもしれません。
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