星降る夜にあの場所で

コインロッカーの女の星降る夜にあの場所でのレビュー・感想・評価

コインロッカーの女(2015年製作の映画)
4.3
「生きのびるために」と数本のドキュメンタリーを観て、放置していたNetflixが明日でメンバーシップが終了するとのことなので、タイトルが気になった本作を初鑑賞してみた。
普段は、理由があって韓国映画をほとんど観ない。
全く前知識なしでスタートを押した。
始まってから、ハングル文字のクレジットで気が付いた(^_^;)

結果から言えば、そろそろメジャーな監督の韓国映画以外にも手を伸ばしていいかなぁ~と思わされた。

ヤミ金組織のボスを演じていたキム・ヘスってこんなだっただろうか?
90年代の彼女しか記憶になかったので、ぶったまげた。
わかりやすく表現するなら、丑嶋馨とマイケル・コルレオーネを足して二で割ったキャラを上回るほどの凄みと悲しみを背負っていた。

先頃賞を獲得して話題になっていた「万引き家族」と同様に【家族(正確には、家族を主体とした)】でビジネスをしている。
本作に留まらず「万引き家族」のネタバレにもなる恐れがあるので、突っ込んだ内容は書けないが、本作を観た後に「万引き家族」を鑑賞したほうが、好評価になるような気がする。

誤解して欲しくないのは、本作が駄作だからということではなく、家族の絆という点において圧倒的な違いがあるからだ。

ゴッドファーザーのドン(ボス)の継承儀式が、生ぬるく感じた。
家族である前に組織のトップに立つ者の引き際は、未練タラタラに居座り続けるのではなく、こうあるべきだと思った。
◯◯◯◯◯◯と悟った瞬間に…

殆ど観ないといっても、メジャーな韓国映画は私も人並みには鑑賞しています。

韓国ノワールの傑作だと思います★

お気に入りの一本となりました。
アクションシーンまたは台詞の量は時代に対応したものにはなっていますが、この監督もしかすとジャン=ピエール・メルヴィルの大ファンかもしれないと感じた。

今年鑑賞した新作も含めて、初鑑賞した作品の中では最もファロワーさんにお薦めしたい逸品かもしれない。

老若男女を問わず、本作に刻み込まれた様々な社会の闇が、深く心に突き刺さるものがあるはずです。

もはや、この時代は【仕方がないのかも…】なんて無責任な意見では片づけられない、必然的に進化を遂げ、善悪の境界線が曖昧になってしまった【必要悪】で溢れている…

~追記~
以前から気になってはいたのですが、キム・ゴウンが一層好きになった😌🍀