ヒルコ

Doglegsのヒルコのレビュー・感想・評価

Doglegs(2015年製作の映画)
3.2
今一番応援してるレーベル、DIG。見たかった作品をどんどんソフト化してくれて本当に嬉しいです。
さて障害者プロレスを知ったのはもう20年前。でもその姿を見ることなく今に至りますが、ずっと興味はありました。
しかし「不謹慎」だからなのか、目にする機会がまったくなかったということで・・・。

障害者だって頑張れる、障害者だから諦めない、そういう考えは1つの世間の目からかけられた呪いのようなものかもしれない。
でもそうしようと決めた慎太郎の姿は、応援しようという気持ちにならざるを得ないような一本気さです。

ヒールもヒーローも、みんなそれぞれが社会の中でなんらかの役を演じてるわけで、その役を自分で選ぼうとするのはとても大変だと思います。世間の流れに乗った方がきっとずっと楽だから。
障害者(身体も知的も精神も)であることですでに少数派である彼らが、さらに世間のイメージから外れたことをするのは、本当に大変だろう。
彼らの姿から「勇気と希望」をもらえるとしたら、そういう理由かなとわたしは思いました。

この作品を撮った監督がニュージーランド出身というのも個人的にはグッと来ました。
わたしがニュージーランドで過ごした13年の間、たしかに日本よりたくさんの障害者を目にしました。総人口は何分の1かなのに。
それは、ニュージーランドの人たちが、彼らを特別視するという方法をとることはせず、障害者を1人の個人として認めていたからだと今は思います。

さて、無敵のハンディキャップも是非ソフト化を希望しています。よろしくお願いします!
ヒルコ

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