ゆき

あなたを、想う。のゆきのレビュー・感想・評価

あなたを、想う。(2015年製作の映画)
3.8
結末のない物語

幼い頃に抱いたわだかまりは何を機に解かれるか。
果てない海と裸の岩肌、油の臭いがしそうな食堂のギャップが目を引く一作でした。緑島に行ってみたい。
夢物語の様に淡い母との記憶は、鬱々した現実と重なりながら、色を変えていく。
思いが強いほど記憶の中で形を変えるのか、妄想との境目が曖昧で。
曖昧さを際立たせる分岐点になったシーンのbar藤は実際にあるお店だそう。
緩やかに展開する3人の時間が、同じ場所で重なり始めてからの心がざわつく感じ。綺麗すぎない物語の余韻が好きです。

***
ユーナンは別れた母を追い、ユーメイは兄妹を引き裂いた母を恨んでいた。ユーメイの恋人・ヨンシャンもまた幼い時に父と離れている。違った形で親の愛情を探す3人の若者の人生が交差し始める。
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