西木寸

うつくしいひとの西木寸のレビュー・感想・評価

うつくしいひと(2016年製作の映画)
3.6
東京国際映画祭にて。
熊本出身のキャストを揃えて熊本県のPR映画として取られた短編映画。
しかし、結果としてチャリティー映画となってしまった稀有な映画です。

パキパキした豊かな色彩表現を活用しながら、行定監督独特のノスタルジーを感じさせる映画になっています。
現代の風景をバックにしたドタバタ劇。
姜尚中というなんとも感傷深気な存在を中心に落とす事で、古き良き香りがプンプン感じられ、香りだけで40分余裕で見ていられます。

やはり見終えたあとに最も感じるのは、映像を残すという映画の特異性がもたらす、この映画の必然。
追悼に寄せすぎて作品の持つ独特の香りは失わない程度に、是非震災以後に取る必然性を盛り込んで、続編を国内外に発信して欲しい。
西木寸

西木寸