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ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のTSのレビュー・感想・評価

2.9
【残された妻が果たすべきこと】68点
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監督:パブロ・ラライン
製作国:アメリカ/チリ/フランス
ジャンル:ドラマ
収録時間:99分
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2017年劇場鑑賞32本目。
やや地雷映画。ケネディ大統領の暗殺事件はあまりにも有名ですが、これらの事件をある程度知っている、というのを前提で話が進むのでやや玄人向きの映画かもしれません。『JFK』(未見)をはじめとするケネディに関連する映画を見てから今作を鑑賞する方が良いのかもしれません。僕自身も予習をあまりしていなかったため、ジャッキーを演じるナタリー・ポートマンの苦労も虚しく、少々退屈な作品と感じてしまいました。

ピンクレディの愛称で知られている、アメリカのケネディ大統領の妻ジャッキー。今作は、1963年のケネディ大統領暗殺事件後、記者によりジャッキーがインタビューを受け、様々なことを回想していくという形式で描かれている。

ここ最近の作品でいうと『リンカーン』や『スティーブ・ジョブズ』(2015)に似ている気がします。最もクローズアップすべきシーンを敢えてカットし、その周辺の事情にクローズアップをするという玄人向きの映画です。この手の映画を見るには予備知識は必須。従って、予備知識があるかどうかで感じ方がかなり変わる作品だと思います。今作は、ケネディの妻であるジャッキーに焦点をあてているということで、映画としてゆるぎない存在意義を見出していると思うのですが、いかんせん終始淡々としています。ジャッキーのアップシーンも多く、彼女がいかにこの事件後に苦労したか痛いほどわかります。大統領の妻として、そして一人の男の妻として何が出来るのか?しばしばケネディとその犯人と言われているオズワルドに焦点があてられるため、彼女に焦点をあてたのは素晴らしいことだと思います。

ただ、初見で面白いかどうかというと凄まじく微妙なところです。しばしば史実通りにしすぎた結果、大衆ウケが良くない作品が出来ることもありますが、僕はそれは別に構わないと思ってます。『わが命つきるとも』の記事でも述べましたが、それはそれで存在意義のある映画だと思いますし、これからも作られるべきです。従って、スコアは低いもののそれは単に退屈と感じたからであり、嫌いな映画というわけではありません。このあたりから退屈=嫌い という法則が成り立たないということが実感できます。

ジャッキーはホワイトハウスの改装に熱心だったようで、そのあたりのシーンも描かれています。恐らくかなり丁寧に、史実通りに描かれている作品だと思います。ケネディ大統領役の俳優も、中々実際のケネディに似ています。また、飛行機から降りてきたり、例の暗殺シーンあたりの映像はどことなく古めかしく、当時の映像感を再現しているように思えます。そのあたりの細かい配慮は素晴らしいと思います。是非、本事件を熟知した方からの感想をまた聞いてみたいところです。
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