Emma

ジャッキー ファーストレディ 最後の使命のEmmaのレビュー・感想・評価

3.5
ナタリー・ポートマンが煙草をくゆらす姿だけで元が取れそうなほど美しい。

彼女の悲壮感あふれる演技は、いつも儚げで惹かれます。不謹慎な言い方かもしれないですが、悲しければ悲しいほど、ナタリーのお芝居は、美しい。

ジャクリーン・ケネディが夫の暗殺の現場で飛び出した脳をかき集めようと身を乗り出したシーンは今でも有名。後の葬儀に失意の中にいた彼女がこれほど想いを持って取り組んでいたとは知らなかったですが、当時を知らない私にとっては、葬儀そのものよりも、身を乗り出して夫の脳を掻き集める彼女の無我夢中な姿そのものが、ケネディ大統領という存在を脳に焼き付ける全ての理由になっている気がします。

多くの人にとってもそうではないでしょうか?

日本では、下世話な番組が何本も作られ、”ジャクリーンが夫を助けようとしたなんて美談で、ドアの方に逃げようとしていたのでは”なんて、検証番組も作られてました。

でもこの映画を見終わると、うん。で?って感じ。

もし傍にいる夫が撃たれた時、あなたは同じようにいられますかと、問いたくなる。胸中はジャクリーンのみぞ、知るなのです。その後の彼女の人生に誰かが口出しなどする権利はない、とこの作品を見て改めて思いました。


ジャッキーは強い女性だと思います。
とことんに悲しみを知ったからこそ。
Emma

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