ダラスでのジョン・F・ケネディ大統領の暗殺シーンはあまりにも有名。
目の前で頭を撃ち抜かれ夫を殺されたジャクリーヌ夫人がどんな思いで3日後の葬儀に参列し、ホワイトハウスを後にするまで何を考えていたかジャーナリストに語る。
資産家のお嬢様として教育されたジャッキーは賢く、センスも良くセルフプロデュースがうまい。しかし夫の死後間も無いのにマスコミを利用してイメージ作りに必死になる辺りは、かなり計算高く感じられた。
ヘビースモーカーだとか浪費家だという一面は正直に描かれている。
これが遺作となったジョン・ハート演じる神父との会話では、夫の浮気や今後の生き方への不安など彼女の正直な胸の内が語られていた様に思う。
この作品の後日談として当時の日本のTVが流した情報は、大統領の死から5年後海運王のオナシスと再婚するも様々なスキャンダルに見舞われるジャッキーの姿だった。
華やかな生活が好きで浪費家であったにもかかわらず、ケネディ家からは大切にされたんですね、オナシスと再婚してもケネディ大統領の隣に埋葬されているのだから。
アメリカの中でのケネディ家の存在というのは日本人には理解しずらい様で、カトリック教徒でアイルランド系アメリカ人の大統領はJ・F・ケネディただ1人だそうだ。
その他の大統領はアングロサクソン系のプロテスタント。
弟のロバート・ケネディも選挙中に暗殺された事を考えると、白人同士でも根深い人種問題が見えてくる。
そして、だから今だに人気があるケネディ家と、だから嫌われるケネディ家の両方が垣間見えた様に思える。