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マッスルモンクのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

マッスルモンク(2003年製作の映画)
3.8
不夜城、香港。その夜、ふたつの事件が同時に起こった。ひとつはストリップ・バーで、ビッグガイ(アンディ・ラウ)が最前列で熱い声援を送る女性客リー・フンイー(セシリア・チャン)に応えてビキニを放った瞬間、「わいせつ罪で逮捕する!」。彼女は囮捜査官だった。捜査官がいっせいになだれ込み、ビッグガイは慌てて店を飛び出す。その頃起きていた、ある惨殺事件。警察犬と刑事らが犯人のインド人を現行犯逮捕するが、護送途中で逃げられてしまう。逃げるビッグガイとインド人は街角で衝突し、空気は一瞬即発に。そのとき、ビッグガイの目はインド人を追う警察犬に引き寄せられ、その犬がすぐに死ぬ運命だと瞬時に見取る。実は彼には、死ぬ直前の者が背負い、死因となる前世での業(カルマ)を見る不思議な能力があるのだった。そのとき見えたのは、犬を撲殺する子供の幻。その子供が前世での犬の姿。果たしてインド人に向けて放ったフンイーの銃弾が、誤って犬に命中してしまう。そして次の瞬間、フンイーの背後に、大量虐殺を行う日本兵の幻が現れるのだった! インド人を逃がした刑事たちは怒りをビッグガイにぶつけるが、彼を助けるフンイー。正義感にあふれ心優しい彼女だが、インド人と出会って犬を殺したことで、いずれその報いを受けるだろう…。一度は不法就労で本土へ強制送還されるビッグガイだが、かつて同様に救えなかった少女のためにも、フンイーを救うことを決意する。例のインド人を追うフンイーの前にビッグガイが現れ、特殊な能力を使って殺人事件のてんまつを再現してみせる。彼の能力に半信半疑ながらも、協力してインド人を捕らえることに同意するフンイー。ビッグは、今度はインド人に裁きが下ることを予見するが、その男は前世である善行をほどこしていた。死の直前にカブト虫を救うというその小さな行いが、現世で繰り返されている殺しの連鎖を食い止めることができるかもしれない。救いをもたらすかもしれないカブト虫の生まれ変わりである、左腕のない女を見つけるため、ビッグガイとフンイーは奔走する。翌日、逃亡犯は前夜人質にとった女性に助けられて、バスのターミナルに現れる。再び銃撃戦となり、そのさなか女性の左腕が吹き飛ばされる。駆け寄ったフンイーに彼女は、逃亡犯に何か懐かしさを感じて助けたことを、後悔していないと語るのだった。やはりビッグガイの言うように、前世からの因縁は存在するのか? 格闘の末に逃亡犯を捕らえ、怒りに我を忘れる刑事が逃亡犯を殴り殺そうとするのを制止したビッグは、殺しの連鎖を無事終わらせる。事件は解決し、ビッグは去った。しかし、彼を忘れられないフンイーは、かつてビッグが修行していた石窟寺を訪ねる。そこでビッグが僧衣を捨てるきっかけとなった悲劇を知る。
香港ノワールの雄ジョニー・トーとワイ・カーファイ監督が、前世の業が見える元僧の活躍を描いた異色作。
自分が、愛している人が背負った業を購う葛藤はユニークで面白い。
アンディ・ラウが肉襦袢を着てボディビルダーのポージングしたり、殺人鬼と戦う珍しい姿が楽しめる珍品。
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