TAK44マグナム

ザ・ベビーシッターのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ザ・ベビーシッター(2016年製作の映画)
4.2
しかし、皆どんだけクイーン使いたがるんだよ!


ニューラインシネマが製作したものの権利をNETFLIXに売却したので、配信にて初公開となったティーン向けのホラー映画。
心底くだらないけれど面白かった!

主人公であるコールは、友達から鈍くさいと苛められている12歳の少年。しかし、両親の雇ったベビーシッターのビーは、所謂イケてる系女子でスタイルも抜群。
そんな彼女にほのかな憧れを抱くコールでしたが、自分が眠ったあとにビーが何をしているのかが気になりだします。
「もしかしたら彼氏を連れ込んでいるのかもしれない」
ビーの勧めた寝酒を密かに飲んだふりをして、起きていることにしたコール。すると、真夜中に訪れたのは複数の男女でした。
「え?乱交?!」
そんな想像をしながら隠れて様子を見ていると、アメリカのティーンエイジャーは皆やるのかというほど映画にも登場する「真実と挑戦ゲーム」で盛り上がっています。
「挑戦」を選んだビーは全員とキスする羽目に。
最後の一人であるサミュエルとのキスになった時、コールは信じられない光景を目にすることになるのでした。


メッチャ美人で噂のベビーシッターが、実は悪魔崇拝者のキチガイであった・・・という、あんまり中身はないスッカラカンな内容。
ビーの他に四人の男女がコールを襲い、順番に返り討ちにあっちゃいます。もう、どちらが殺人鬼なのかわからんですな!

監督が「チャーリーズ・エンジェル」のマックGなので、やたらとテンポに勢いがありますが、変にガキっぽい演出は主人公が少年だからなのか?なんだか忙しなくワチャワチャしたところもマックGらしいと言えばそうですね。

序盤に、ものすご〜く分かりやすく伏線を配置して、コールが追われる段階になると「あ〜、ここでアレが出てくんのね」と、これまたすごく分かりやすいタイミングで伏線を回収してくれます。
ほんと、安定の分かりやすさ。
ティーン向けと言っても、もっと低年齢層が観ても何の混乱もしそうにない内容なのですが、その割にキャラクターの死に方などはレーティング高そうなエグさだったりします。
頭部が景気よくボーン!と爆発したりしますからね!

なんで隣家にすぐ助けを求めないの?とか、あんなんでそんなに大爆発するの?とか、観ていると次々と疑問がわいてくるけれども、前提としてシリアスなサスペンス映画というわけじゃないので真面目に考えちゃいけません。
バカ映画なんですから!
たとえ「少年の成長」という真面目なテーマがあっても、本質がおバカなのだから仕方ないのです。

個人的には嫌いじゃないどころか大好きなタイプの映画でして、気楽に「そんなわきゃねえだろ」とツッコミいれながら楽しむのがベターな鑑賞方法だと思います。
でも、人によっては受けつけない方もいらっしゃるでしょうね。

それにしても、アメリカのお宅の庭の広さ!
コール達は、庭にスクリーンを張り、プロジェクターで野外上映会をしてしまうほど!
自宅で星空の下、映画鑑賞会なんて最高じゃないですか!
他にも、「銀河系最強チームのメンバーは?」を想像して言い合ったり、プールやダンスと、ビーとの時間は本当に楽しそう。
これで殺されるわけじゃなければ、ハッピーなまま夜をこせるのに。
なんで悪魔崇拝なんてしちゃってるのか謎ですが、悪魔と契約できればすべての望みが叶うらしいので、ボンクラになればなるほどハマっちゃうのかもしれません。
集まったメンバーからして筋肉バカとか、お喋り好きな黒人兄ちゃんとか、チアリーダーのコスプレとか、揃いも揃ってボンクラばっかだったもんなあ!

そんなところも非常に分かりやすい本作、限りなくIQは低いですがハロウィンパーティーでワイワイと皆で観るにはゴキゲンな一本でしょう。
エンドロール中にもオマケがあるので、停止をクリックするのは我慢しときましょうね〜。


NETFLIXにて