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ザ・ベビーシッターのRのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・ベビーシッター(2016年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で友人1人と。

2016年のNetflix配信独占作品。

監督は「マシュー・マコノヒー マーシャルの奇跡」のマック・G。

あらすじ

12歳の少年、コール・ジョンソン(ジュダ・ルイス)はいじめられっ子。いつものようにいじめられていたところを助けてくれたのはコールのベビーシッターのビー(サマーラ・ウェイビング「スリー・ビルボード」)だった。そんなビーに淡い感情を抱いていたコールは翌日、夫婦水入らずの1日を過ごすために家を留守にする両親に代わり、ビーと一晩過ごすことになるが…。

最近はもっぱらNetflixで映画を観ることが多いのだけど、いやぁ良いですね!!Netflix!!

もちろん、プライムも良いんだけど、それと比較しても遥かに勝る作品量!!

それに加えて、他社との差別化を図るために目玉作品として打ち出す「配信独占作品」。

まぁ、独占作品に関しては、言いたいことがないわけではないんだけど、加入すればこっちのもんてわけで、そういう作品も観まくってるわけなんですが…。

正直、今まで観た独占作品はつまらないわけではないけど、イマイチピンとこない。

ウィル・スミス主演の「ブライト」は途中で寝ちゃったし、この前観た「クローバーフィールド パラドックス」も1作目を超えることはなかった。

そういう訳で、今作も「独占作品て微妙だから、そこまでのノリな作品なんざんしょ?」とナメてかかって観たんですが…。

なんや!?これ。お、お、お、おもしれ〜!!

監督、マックGと言えば、やはり「チャーリーズ・エンジェル」シリーズが有名だが、個人的には「ターミーネーター」シリーズの4作目のイメージが強い。

けど、前述の作品も然り、個人的にはイマイチピンとこない監督だったので今回も微妙な作風かなと思っていたら、まさかのタランティーノオマージュというかキッチュな文字がデカデカと要所要所で登場したりと演出がすごくクール!!

それでいて、冒頭の流れから、いじめられっ子のコールといたいけな少年なら誰しもが憧れるであろうおねいさん像100パーセントのビーの関係性をスピーディに描きこむ流れで、すぐさま「これは…面白くなりそうだ!!」と思わずにはいられない!!

コールを演じた主演のジュダ・ルイス君は、まだデータこそ少ないが調べてみると、どうやら「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」にも出ているらしいが、なんつーか冴えないいじめられっ子を演じていても滲み出るイケメンオーラ。

「ターミネーター2」のエドワード・ファーロングを彷彿とさせるような美少年という感じでビーでなくてもショタ好きのおねい様方ならたまらないのではないだろうか?今後要注目の子役になりそう(そして、出来るならファーロングのように落ちぶれないことを願う!!)。

そして、そんなルイス君演じるコール、憧れのベビーシッターを演じるのがサマーラ・ウェービング。

一見するとマーゴット・ロビーに似た、大きな眼が特徴的な女優さんなんだけど、この人なんと今年のアカデミーでも話題となった「スリー・ビルボード」でフランシス・マクドーマンド演じるミルドレッドの元旦那(ジョン・ホークス演じた)の現彼女の、あのアホの子役ですわ。

今作ではあん時とはまた一転して、明朗快活なビーをエネルギッシュにそれでいてこれ以上ないほどキュートでセクシーに演じていて、コール君でなくてもこれは惚れるわ!!

まだ出演作はそれほど多くないけど、演じる役柄も似通いそうな強敵、マーゴット・ロビーとの差別化が図れるか、今後のキャリアにも注目したい女優さんだ。

また、ビーにばかり注目しがちだが、ご近所に住む娘さんでコール君ともいい感じなメラニー(エミリー・アリン・リンド「ライト/オフ」)もものすごくキュートなので、マジでコールいじめられっ子とか言ってっけどリア充じゃねーか!!という鬱屈した想いが脳内を埋め尽くしてイヤダ笑

話の展開としてはコール君とビーとの出会いを描いた後、両親がいない家で好き勝手するんだけど、まぁなんつーかオタク系男子が憧れそうな夢のシチュエーションというか、「ぼくが考える最強トップ5」のトークとかホームシアターを野外で設置して、西部劇ごっこ(すみません、タイトルがわからない)とか、こんなイケイケ女子が付き合ってくれるわけがないと思いながらも、その交流を観るだけでまるで夢のひと時というか、つくづくコール君が羨ましい…。

兎にも角にも、そんな感じで微笑ましくキュートに2人の関係性が描かれるので、夜中にコールが寝たふりをした後、ビーの本性が暴かれる段階になっても、青春おバカコメディチックなホームインベーションものになるのかなー的に思っていたんだけど…。

なんと、ビーは悪魔崇拝者だったのです!!

おいおい…これは…シャレになんねー!!

なんだ、このいい感じからのフックアップは!!

正直この段階になるまで、ナメてたわけだけど、ここから一気に緊迫感が加速する!!

まず、急展開から一気に状況が変わり、コール君対ビー率いる悪魔崇拝ティーンカルト軍団の戦いになるんだけど、まぁこの仲間が俗に言う「いい顔」ないし「いいキャラ」揃いでイイ!!

チア衣装に身を包んだアリソン(ベラ・ソーン「ミッドナイト・サン〜タイヨウのうた〜」)は終始自分のスタイルばっか気にする頭からっぽ女子だし(ちなみに演じるベラ・ソーンは最新主演作で日本で大ヒットした「タイヨウのうた」のリメイクで主演しています。この振り幅!!)、どっかで観たことある特徴的な顔立ちの子だなと思ったら「ピッチ・パーフェクト」でのボイパ少女だったハナ・メイ・リー(「愛・ビート・ライム/愛はビートに勝る」)演じるソーニャは薄気味悪いゴスっ気ある感じだし、軍団のムードメーカーで出落ち感というか汚れ感がハンパないジョン(アンドリュー・バチェラー「好きだったキミへのラブレター」)がいたりと「ブレックファースト・クラブ」的アメリカ映画によく出てくるようなタイプ的な様相ではあるんだけど、1人1人が凶悪な人格を併せ持っているから、さぁ大変!!そして最高!!

特にジョックス担当のマックス(ロビー・アメル「理想の男になる方法」)が特に邪悪でそのスポティッシュで爽やかな見た目からは想像もつかないような人を嬉々として殺すことに快感を覚えるサイコパスなのが、すげぇ怖かった!!

対するコール君も元々が頭がいいから、前半部分で何気なく散りばめられた伏線(トラップの種)を駆使しながら、ティーン軍団に対抗するから、まさに生死を賭けた「ガチのホーム・アローン」。

ゴア描写も凄まじく、「ホーム・アローン」のように盗人を懲らしめるどころじゃなく、落下からの首グサーもあれば、爆死や首吊りなど、スプラッター描写も凄まじく、どちらかというと「サプライズ」に近いほど、過激。

また、前半に時間を使ったおかげで中だるみを一切することなくティーンの刺客をやっつけながら、ビーとの直接バトルまで展開する時間配分もお見事!!

ただ、後半のジョットコースター的な展開に引き込まれがちだけど、それまでビーに守られ、いじめられっ子だったコール君が一夜の経験を通して、次第に覚醒し成長していく様は青春映画のそれでメラニーとのつかの間の甘酸っぱいシーンの後、Queenの「We Are the Champions」をバックに盗んだ外車をぶっ飛ばしてラスボス、ビーに突撃するシーンは最高にアガった!!

ビーとの苦い初恋の別れを経て、逞しくなったコール君の顔が物語る、「もう、ベビーシッターはいらない」。

からのエンドロール後の「ガオー!」。最後までジャンル映画的面白みをふんだんにブッ込んだ最高の作品でした!!

後から調べて分かったんだけど、優れたシナリオを選んで映画化する「ブラック・リスト」に選出された作品だったみたいで、まさに納得!!

Netflixに加入している皆さん、出来れば真夜中に友達と!!今すぐ観てください!!絶対損はしない作品だと思います!!是非!!
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