Hiroki

インモラル・ガール 秘密と嘘のHirokiのレビュー・感想・評価

3.5
2015カンヌのカメラドールノミネート作品。
でいま熱い東欧、セルビア人監督初の長編作品ということで結構期待してたんだけど…
まず邦題(特に副題)と公式あらすじの「最後に衝撃の事実が」的な煽りは本当に酷い。
それを求めている人は確実にがっかりしますね。
この監督は秘密も嘘も衝撃の事実もすべて明かされないことに美学を持っているのだと思う。

ストーリーの途中まではすごく良かったと思うのです。
現代のSNS時代は人々(特に若者)の関係を不必要なほどに密接に、あるいは不必要なほどに疎遠にする。
その中で恋や愛に翻弄される若い2人の心象風景を見事なほどに描けている。
日本人でも「若い頃ってこういことあるよなー」と感じるところも多いと思う。
しかし後半、特にラストが良くない。
元々明示していない状態での幽霊オチみたいなものはいただけない。
「もうそしたらなんでもありじゃん」
って思っちゃうからね。

ベオグラードの街並みとか、洗練されたモダンな空間とそこだけ時が止まったようなアンティークな空間の対比は良かったし、たしかに上記の幽霊オチの伏線とはいえなくないんだけど…
全体を通してるパンチの弱い作品という印象になっちゃったかな。

最後に主演のスラヴィン・ドスロとジョバーナ・ストジルコヴィッチは美男美女で役に合っててよかった。
なかなかこれから見ることはできないとおもうけど。

2019-78
Hiroki

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