先生の悪口を書いたメモが見つかってしまい、「渡しなさい」と言われた女生徒バルバラの予想外のマジックに始まり、突然暗転にタイトルが入る。そして流れ出すあの曲。オープニングから物語世界に引っ張り込むのが上手い。
たしかに、人間関係はとても複雑なストーリーだけど、展開や映像表現は極めてシンプル。
言葉で語らない。
彼と彼女が見つめ合うその目が何を物語っているのか、沈黙の中に深く想像してしまう。そんなシーンがいくつもあった。
健気に描かれる、白血病の少女アリシアに対し、それぞれ己の抑制された欲望が表出してしまう大人たちの向かう先のそのオチはやっぱり狂気だなあと思った。