ラウぺ

マジカル・ガールのラウぺのレビュー・感想・評価

マジカル・ガール(2014年製作の映画)
4.0
一言ではとても説明不能な、驚くべき映画。
ネタバレ無しで見た方が断然面白いので、内容には触れませんが、映画の本筋とは関係ないところが大胆に省かれ、見る人が想像で補う必要があったり、人物の関係性の説明を優先するためか、物語の時間軸がいきなり前後するので、一見つまらないと思われる場面でもしっかり内容を確認しながら見る必要があります。
映画が終わったときに、パズルのように小さな伏線が大きな意味を持ったり、映画全体の姿が露わになったときの予想の斜め上をいくインパクトは大変大きなものがありました。

予告を見ても分かるように、監督は日本アニメなど日本サブカル系文化の相当なマニアで、予告に出てくる魔法少女のそれはまさにその具現化という感じがします。
実際「まどか☆マギカ」からインスパイアされた、との監督の発言にもあるように、作品の根幹にかかわる部分にその影響ははっきりと分かる形で現れていますが、これは見てのお楽しみということで。
しかし、単なる真似ではなく、独自の世界の中に落とし込まれているところが世界観をしっかり咀嚼したうえで作品に生かされていると感じました。「まどか☆マギカ」を知らない人でも作品鑑賞になんの妨げにならないのでご安心を。

しかし、これオタクのバロメーターか、あるいは一種の踏み絵というべきところかもしれません。
単純な日本趣味ではなく、その中でもピンポイント的に特定のジャンルに驚くべきオタク的こだわりが見られるのが興味深いところです。
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