ユカリ

海賊とよばれた男のユカリのレビュー・感想・評価

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)
4.2
やっっっっっっっっと観に行くことができました!!!
元々映画館の宣伝で「海賊と呼ばれた男」を観て、面白そう!と思い、まずは原作から。と、決めて遂に原作上下巻を読み終わり観に行きました。

145分で長めの作品なのですが、
2時間なんてあっと言う間。

監督は原作を読んでから、
この辺が読者が見たいシーンだよな、と考えながら製作にあたったそうで、泣く泣く削ったシーンもあるみたいですよ。
(そう考えると、あのシーン欲しかった!とかこのシーンは原作と違うな!とか思ってしまう原作既読の私。。)


映画だからできたことである國岡商店社歌聴けて良かった。
随所随所で挿入されてましたが、これがまた、此処ぞ!と言う時に歌われるんですよ。。良き。。


キャラに関しては、
一人一人の個性がわかりやすく描かれていたと思います。
しのさんこんなに可愛いらしいキャラなのね?!
長谷部はこんなに人懐っこいキャラなのね?!
うわぁ、メジャーめっちゃ感じ悪い!!
武知まんまだわ。。
そして何と言っても、國岡鐡造!!!
俳優岡田准一の主演作品初めて観た(多分)のですが、素晴らしさを見せてもらいましたよ。。
俳優岡田准一すごいぞ!!!


内容に関して…。
はっきり言ってこれは、
《海賊と呼ばれた男「たち」》の物語です。
もちろん國岡鐡造という人物あってこその英雄譚ですが、周囲の人物なくしてこの英雄譚は成立しません。

個人的好きだったシーンとして、
タンク底で石油を浚う所と
日章丸事件関連の話ですね。
(映画では日承丸)

タンク底で國岡商店の店員が
社歌を歌いながら油を引き上げるところはグッときました。

日章丸事件に関しては、オリジナル展開のイギリス船が拿捕しにやってきたところ。
新田船長の「突っ込め!」や挑戦的な電報は冷や冷やしながら見入ってました。
(原作では裁判の話まで描かれていますが、なかなか面白いので是非。。。)

唯一残念だったのは、
イランに日章丸を送る事になって、
東雲が鐡造に向かって、
「あんたは戦争に行ったことがないから!」と攻撃的な態度に出たところです。
オリジナル展開でしたが、東雲さんがそんな事を言うとは思えなくて。。。
ただただ、残念でした……。


色々描きましたが、私はこういう物語が好きなんだと思います。
逆境や困難にも立ち向かい、自分が決めたことは意地でも曲げない。
努力は裏切らないとか、頑張って報われたとかそういう事だけが要素ではない。
多額の借金を抱え何度も何度も倒産の危機に晒されながらも、諦めかける一歩手前で必ず突破口が見えてくる。
頑張ったというのは自分の評価ではなく他人が見て評価するものだな、とつくづく思いました。
ユカリ

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