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海賊とよばれた男のSIのレビュー・感想・評価

海賊とよばれた男(2016年製作の映画)
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2018.2.24
自宅TVにて鑑賞

唐突だが最近イランに興味があって、それはイランがシーア派国家でもとより西洋近代国家と上手くやっていく素養があるとか、イラン革命以来久々にアメリカと関係を改善しているとか(なおトランプによってこれは完全に逆戻りしつつあるようだ)、そういうことを見聞きしている内に生まれたものだと思う。
中東内で急速にプレゼンスを増すこの国はベルセポリスの豊かな文明をバックボーンに持ち、エジプト、シリアが機能しない中、近い将来この地域一帯の盟主に間違いなくなるだろう、などとぼんやりと考えている。

そのような中で見つけたのがこの映画である。
ただ、イランは日本映画でどのように表現されているのだろうという思いで鑑賞したのだが、結果から言うとただアバダンの港らしき何かがわずかに映るだけで(それも白組の事だし日本の港の上にCGを被せた可能性がかなり高い)、期待外れに終わった。

映画のプロット自体は出光の創業者の事さえ全く知らなかったので、非常に新鮮だった。観ている間、何回も泣いた。原作を原作通りに映像に起こすだけで観客を泣かせられるのだ。
映画の作り手としては原作のプロットを追うのに精一杯なようだ、映画としてそこに何が表現されていただろうか。

あと、吉岡秀隆は本当に良い役者さんだと思う。
初めてきちんと演技を見た事が恥ずかしくなるほど存在感がある。黒澤明監督や山田洋次監督にも気に入られていたようだが、納得である。
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