ワルキューリ

ヤクザと憲法のワルキューリのレビュー・感想・評価

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)
3.7
大阪に訪れたとき、銭湯には入れ墨禁止の告知があった。でも中に入ると普通にその筋のと見受けられる墨を入れた方々が(汗)
初見はぎょっとしたけど、二度目からはそういうもんだと思って受け入れた。良くも悪くも大阪はそういうところなんだろう。

本作に登場するのはそんな大阪・新世界付近を根城にするヤクザ。出で立ちのそれっぽさは薄い…と思ったら袖からチラリと墨が。
もちろんご近所や馴染みの店の人は彼らがヤクザだということを知っているけど、ただそこにいる存在として受け入れてくれている(ように見える)

でも自分が彼らを受け入れられるかというと、所々で見える彼らの暴力の論理はやはり認めがたい。何の罪もない人を巻き添えにして受けた罰さえも名誉とする思考はそれこそ「反社会的」そのもの。

しかし、そういう異質な存在を「権力ヤクザ」が押しつぶすのは社会全体にとってはもっと危険なのではないか?異物を社会的に放逐することに血道を上げ、支える者すら敵視する世界が何より怖い。