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ヤクザと憲法のshowのレビュー・感想・評価

ヤクザと憲法(2015年製作の映画)
4.2
暴排法以降、暴力団員の生活はさまざまな場面で制限されるようになった。銀行口座がつくれない、ローンが借りられない、幼稚園を追い出される…。暴排法が、「法の下の平等」を明記した日本国憲法に反するかどうか、見る者に鋭く突きつけた作品である。

その鋭さは、単に「暴力団は危険だから、反社会的だから」「いや、人は差別をしてはいけない」という原理レベルの対立にとどまっていない。暴力団員の境遇やパーソナルヒストリーにまで踏み込んだことによって、その鋭さが生み出されている。ヤクザにならざるをえなかった人々の存在を明らかにすることで、「ヤクザに人権はあるのか」という問題を改めて問い直している。

この映画は、私たちが当然のように考える「~~だから排除してもよい」「~~だから差別されても仕方が無い」という思考回路を激しく揺れ動かす。「ハンセン病だから排除してよい」「朝鮮人だから差別してよい」という考えがあるように、「~~だから」の「~~」の部分は、時代や社会によって容易に入れ替わるものである。だとすれば、その「~~」が、今のほほんと生きているぼくたちの何らかの属性にならないという保障が、どこにあるのだろうか。そういうことまで考えたうえでヤクザの排除の問題を考えろと、この映画はぼくたちに突きつけている。