ヤクザと憲法の作品情報・感想・評価

ヤクザと憲法2015年製作の映画)

上映日:2016年01月02日

製作国:

上映時間:96分

3.8

あらすじ

「ヤクザと憲法」に投稿された感想・評価

天狗

天狗の感想・評価

3.0
うーん、微妙なスタンス。

本作はどっちかと言えば憲法第14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」を重視しており、反社会的勢力として暴力団やその家族が様々な制限(生命保険に入れない、銀行口座が開設できない、子供が幼稚園に行けない...)を受ける現代社会に警鐘を鳴らしていると考えることが可能である。

自分のスタンスは少し違って、イリーガルな領域でいわゆる「しのぎ」を得る団体である以上、「法は守ってくれない(法に守ってもらおうとなんて思っていない)」ことが前提なんでしょ?というスタンスである。

ここで微妙になるのは「法が守らない(守ってくれない)」相手が組の構成員だけなのか家族も含めて良いのか、という点であろうが、生計を一にする限り、その「区別」を社会的・常識的に一般市民や行政組織、法順守で縛られた民間企業に求めるのは「酷」というものであろう。本作の扱うように「司法」が最後の砦なのでしょうけど。

ミイラ取りがミイラになるという言葉があるが、東海テレビのスタッフもそうなっていないか。

※とはいえ、ヤクザ組織については本作ではないが、とても示唆深く、サラリーマンもぜひ参考にすべきだと思っている。ちなみにお薦めは、「ヤクザに学ぶ組織論 (ちくま新書) 」。我々一般ビジネスマンの様々な局面で参考となることがちりばめられています。

このレビューはネタバレを含みます

大学の授業で観た、東海テレビが制作したドキュメンタリーがとても面白くて、これを観たんだけど、とてつもなく面白かった。

ヤクザのイメージを覆す、というか、色んな側面がよくわかるドキュメンタリー映画。実はずっと気になってた。彼らはどのように生きているんだろう。なぜ、その世界を選んだのだろう、と、ずっと疑問に思ってた。けれど、観ていて、少しわかる気がした。

面白いのが、テレビとかで印象付けられたイメージとだいぶ違う。「貰ったんですよねー」とかいって折りたたみテント置いてあったり、システマチックな経営をやっていたり、温かい雰囲気があったり。「テレビの見過ぎだよ!」って組員が言ってたけど、確かにかなり違う。テレビの前だからある程度は雰囲気が変わるだろうけど、にしても驚いた。

核となるのは、ヤクザは憲法十四条における人権の保護に適応されていないのではないか。果たしてヤクザに人権はあるのか、ということなのだけれど、「色々あるよなあ」と思ったり。

そもそも、ヤクザや暴力団という存在は反社会勢力として認知されているが、実は社会にはみ出た者の受け皿として機能している。家族という形を形成することで、社会からドロップアウトしてしまった者、ドロップアウトせざるを得なかった者の生きる場所を与えている。言ってしまえば、オルタナティブな共同体として機能しているんだ。イメージはだいぶ違うけど、是枝監督の『万引き家族』における共同体性とさほど変わんない一面がある。
21歳の組員が「学校でも、気にくわない人は排除されるけど、その人たちだって、いてもいいようになった方がいい」と話してるのが印象的だった。

そこに排除の構図が出来上がる。保険に入れないとか、銀行に口座を作れないとか、葬儀場なんて借りれない、みたいな話が出てて、第三者側からすれば「そりゃそうだ」なんだけど、当事者からすればたまったもんじゃないよね。警察もどうにか検挙するために動くので、自ずと揚げ足を取られるような生活になる。山之内弁護士も大変だ…。

確かに、治安の面でヤクザは地域における脅威になるのだけれど、ただ潰すだけでは、その人たちの生きる術を潰すことになってしまう。代わりの受け皿が無さすぎるということ。前に読んだ『彼女たちのワリキリ』という本にもあったけれど、売春や違法薬物など法に関わる問題を根絶するにも、その人たちが生きる受け皿を社会が用意しないといけない。が、それが見つからないから、ドロップアウトが連鎖してしまう。
社会の中でドロップアウトすることになったのに、法も憲法も保護してくれない。その状況を作り出しているのは、紛れもないこの社会。「人権は守られるべきだが、反社会勢力は排除されるべき」という矛盾がそこにあった。
sawak

sawakの感想・評価

4.0
最近何かと話題の「ヤクザの人権」問題に関する東海テレビの傑作ドキュメンタリー。

ヤクザだけを無批判に絶対悪と見なして「排除」する社会構造それ自体が、ヤクザ並みに怖いです僕は。
ruriruris

rurirurisの感想・評価

3.8
カメラの前なので、これがヤクザの全て包み隠さない姿だとは思わないけれど、法は誰を守るべきなのか?平等ってなんなのか?そんな事を考えさせられる。東海テレビさすが。
show

showの感想・評価

4.2
暴排法以降、暴力団員の生活はさまざまな場面で制限されるようになった。銀行口座がつくれない、ローンが借りられない、幼稚園を追い出される…。暴排法が、「法の下の平等」を明記した日本国憲法に反するかどうか、見る者に鋭く突きつけた作品である。

その鋭さは、単に「暴力団は危険だから、反社会的だから」「いや、人は差別をしてはいけない」という原理レベルの対立にとどまっていない。暴力団員の境遇やパーソナルヒストリーにまで踏み込んだことによって、その鋭さが生み出されている。ヤクザにならざるをえなかった人々の存在を明らかにすることで、「ヤクザに人権はあるのか」という問題を改めて問い直している。

この映画は、私たちが当然のように考える「~~だから排除してもよい」「~~だから差別されても仕方が無い」という思考回路を激しく揺れ動かす。「ハンセン病だから排除してよい」「朝鮮人だから差別してよい」という考えがあるように、「~~だから」の「~~」の部分は、時代や社会によって容易に入れ替わるものである。だとすれば、その「~~」が、今のほほんと生きているぼくたちの何らかの属性にならないという保障が、どこにあるのだろうか。そういうことまで考えたうえでヤクザの排除の問題を考えろと、この映画はぼくたちに突きつけている。
やーさんも色々大変なんやねえ。あの若い子どうなってるんやろか。途中寝た
カエル

カエルの感想・評価

3.9
先入観なくぼーっと見て欲しい。

ぼーっとみてることはできないと思うけど。

見入ってしまうと思うけど。

先日みた『万引き家族』を見終わった後に思い出した映画です。

社会的弱者って誰がまもってくれるんでしょう。
自己責任?

見終わったらグルグルいろんなことが頭の中で湧き上がってきて心がしめつけられて、けっこう辛いです。

でも見て欲しい映画です。
Newshinero

Newshineroの感想・評価

3.4
給食費をヤクザの子供だからって受け取ってもらえないとか可哀想な子供だ〜て思った!ラストは言い訳にしか聞こえなくて失笑〜
>|