ヤクザと憲法の作品情報・感想・評価

ヤクザと憲法2015年製作の映画)

上映日:2016年01月02日

製作国:

上映時間:96分

3.8

あらすじ

暴力団対策法、暴力団排除条例が布かれ、ヤクザは全国で6万人を割った。この3年で2万人が組織を離脱した。しかし数字だけでは実態はわからない。ヤクザは、今、何を考え、どんな暮らしをしているのか? 大阪の指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」にキャメラが入る。会長が15年の実刑判決を受けた殺人事件は暴対法のきっかけだとも言われる。組員の生い立ちとシノギ、部屋住みを始めた青年と実の子のように可愛がるオジキ…

暴力団対策法、暴力団排除条例が布かれ、ヤクザは全国で6万人を割った。この3年で2万人が組織を離脱した。しかし数字だけでは実態はわからない。ヤクザは、今、何を考え、どんな暮らしをしているのか? 大阪の指定暴力団「二代目東組二代目清勇会」にキャメラが入る。会長が15年の実刑判決を受けた殺人事件は暴対法のきっかけだとも言われる。組員の生い立ちとシノギ、部屋住みを始めた青年と実の子のように可愛がるオジキ、そして、組員の逮捕、家宅捜索の瞬間がやってくる…。会長は「ヤクザとその家族に人権侵害が起きている」と語りはじめた。ヤクザと人権…。一体、何が、起きているのか?

「ヤクザと憲法」に投稿された感想・評価

天狗

天狗の感想・評価

3.0
うーん、微妙なスタンス。

本作はどっちかと言えば憲法第14条「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」を重視しており、反社会的勢力として暴力団やその家族が様々な制限(生命保険に入れない、銀行口座が開設できない、子供が幼稚園に行けない...)を受ける現代社会に警鐘を鳴らしていると考えることが可能である。

自分のスタンスは少し違って、イリーガルな領域でいわゆる「しのぎ」を得る団体である以上、「法は守ってくれない(法に守ってもらおうとなんて思っていない)」ことが前提なんでしょ?というスタンスである。

ここで微妙になるのは「法が守らない(守ってくれない)」相手が組の構成員だけなのか家族も含めて良いのか、という点であろうが、生計を一にする限り、その「区別」を社会的・常識的に一般市民や行政組織、法順守で縛られた民間企業に求めるのは「酷」というものであろう。本作の扱うように「司法」が最後の砦なのでしょうけど。

ミイラ取りがミイラになるという言葉があるが、東海テレビのスタッフもそうなっていないか。

※とはいえ、ヤクザ組織については本作ではないが、とても示唆深く、サラリーマンもぜひ参考にすべきだと思っている。ちなみにお薦めは、「ヤクザに学ぶ組織論 (ちくま新書) 」。我々一般ビジネスマンの様々な局面で参考となることがちりばめられています。
中庭

中庭の感想・評価

3.0
二代目清勇会の面々の顔一つひとつを丹念にフレームにとらえ、これ以上ないほどに歴史を雄弁に語る背中の刺青までも盗撮していく(対象が服を脱ぎ視界を奪われた瞬間を狙う)執念に感銘を受ける。とりわけ事務所リビングの据え置きカメラが吸い取る、「固着されたはずの空間が今まさに薄れゆくさま」とでもいえばいいのか、あの映像の異質さは何だったのか。窓から差し込む自然光も各場面で良い役割を担った。
かくわ

かくわの感想・評価

3.7
指定暴力団がモザイクも無く、組名、組員が実名顔出しで出演している。

冒頭の、番組スタッフが事務所に入る時の緊張感が半端なかった。

部屋を案内される過程で、縦長のテントの袋見てスタッフが「マシンガンではないんですね?」と聞き、組員が「銃刀法違反になるやろ」と返すのが面白かった。
(ここで良い意味で力抜けた)

当たり前なんだけど
事務所の前を小学生が登校したり、近隣住民が普通に歩く。
親分が近所で食事を取り、店の人もどんな人か分かってる。
そうして一般社会に溶け込んでいるように見える一方、
明らかにヤバイ取引現場や電話があって(逮捕者も)
銀行口座が作れない、荷物の宅配が拒否されるという現実が収められています。

そして引用される憲法第14条
「すべて国民は、法のもとに平等であって、(略)差別されない。」


印象的だったのは、
・ヤクザが自分のことをヤクザと呼ぶこと。
・ヤクザになりたいと組に飛び込み歴8ヶ月の21歳の方。

東海テレビのドキュメンタリーは、『人生フルーツ』に続き2作目。

2018-061
MayumiI

MayumiIの感想・評価

4.2
①謝礼や報酬は渡さない
②事前にテープは見せない
③原則モザイクはかけない
を条件に大阪、西成の暴力団「二代目東組二代目清勇会」に密着したドキュメンタリー。
見ていると、「それって野球賭博だよね?」「麻薬の取引?」とおぼしき場面と同時に、普通の生活(洗濯したりテレビを見て談笑したり)の場面も出てくる。組長の底知れぬかっこ良さとオーラ、ヤクザに憧れる部屋住みの青年の要領の悪さ…。堅気だったのに、「助けてくれた人がたまたまヤクザだったから」とヤクザになった人。長く山口組顧問弁護士をしていたが今は被告になり引退を迫られている弁護士。いろんな人が出て来るが、みんなチャーミング。そして基本にあるのは「日々の生活」。
暴対法、暴排条例の施行によって、ヤクザは銀行口座を作れない、保険に入れない等、「基本的人権」が侵害されている。ヤクザはいない方がいいし、暴力団もない方がいい…。だけど…。
色々考えさせられる映画だった。
Yasunori

Yasunoriの感想・評価

3.6
一年ほど前にもテレビで見たんですが、その時は前半部分を見逃してしまって、全部観れたので。
出所してみんなでお出迎えするシーンなんか、ほんと映画より映画みたいだし笑 なんならシャブ売ってるシーンまで出てくる。そんな人も普通の部屋に住んでるし洗濯物取り込むし。そんな人たちが通う事務所も外観は普通で、その前を小学生達が登下校する。暴対法は彼らに憲法で保障されてる人権がないと口座も開設できず保育園にも通わせることもできない。じゃ、なんでヤクザなんてやってるの?ここにこの映画のテーマがある。たった一言だけど、会長の心情がしっかり見えるところです。
Tig

Tigの感想・評価

3.9
映画やTVドラマの典型的ヤクザ像とは一線を画す「ヤクザ」を捉えた生々しいドキュメンタリー。
これは見応えありました。
行き場のない人の行き着く先としてある種社会の中で必要悪であるヤクザの実態と日常に迫っている。取材魂に感服。
社会の中で行き場を失いつつある彼らの姿を通して人権について考えさせられる。
CS日本映画専門チャンネルにて録画
鑑賞のお共はプライムハイボール。
大阪に訪れたとき、銭湯には入れ墨禁止の告知があった。でも中に入ると普通にその筋のと見受けられる墨を入れた方々が(汗)
初見はぎょっとしたけど、二度目からはそういうもんだと思って受け入れた。良くも悪くも大阪はそういうところなんだろう。

本作に登場するのはそんな大阪・新世界付近を根城にするヤクザ。出で立ちのそれっぽさは薄い…と思ったら袖からチラリと墨が。
もちろんご近所や馴染みの店の人は彼らがヤクザだということを知っているけど、ただそこにいる存在として受け入れてくれている(ように見える)

でも自分が彼らを受け入れられるかというと、所々で見える彼らの暴力の論理はやはり認めがたい。何の罪もない人を巻き添えにして受けた罰さえも名誉とする思考はそれこそ「反社会的」そのもの。

しかし、そういう異質な存在を「権力ヤクザ」が押しつぶすのは社会全体にとってはもっと危険なのではないか?異物を社会的に放逐することに血道を上げ、支える者すら敵視する世界が何より怖い。
moistcarge

moistcargeの感想・評価

4.0
憲法14条で「一. すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」
という一文があるが現状ヤクザに対する諸々の締め付けは憲法に反しないのか 考えさせられる内容だった。
MASA

MASAの感想・評価

2.2
これはこれでふむふむだったんだけど、企業で言えばやや小企業的な組で、もう少し大企業的な組をモチーフにした作品を見てみたかったかな。
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