伝説のボクサー、ビニー・パジェンサの衝撃の実話を基にしたボクシング映画。
いやあ、実話とは思えない信じ難い男の執念が描かれてた。
この作品はいい意味でボクシング映画らしくない。描かれるのはかっこいい練習シーンや盛り上がる試合の演出、チャンプにのし上がっていくサクセスストーリーではなく、どん底に落ちたボクサーが自分と向き合い地道に地下で鍛錬を積み、泥臭くボクシングに縋りついていく男の人間ドラマだ。
全編に渡りビニーという男の人間性にスポットを当て続けてきたからこそ、往年のボクシング映画に比べ地味なはずのラストの試合シーンで静かなカタルシスがじわじわと押し寄せてくる。
ビニー役を演じたマイルズ・テラーは言わずもがな、トレーナー役のアーロン・エッカートがめちゃめちゃ良かった。感動の一作だ。
