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ロンドン・ロード ある殺人に関する証言のtorakoaのレビュー・感想・評価

2.0
最近増えつつある配信スルー作品。AmazonPrimeでミュージカル検索したら出てきて、ミュージカル(舞台)の映画化ということでわくわく鑑賞。うーん……何で映画化しようと思ったんだろう?

何と実話ベースで、連続殺人事件が起こった町の住民達が描かれるミュージカル。試みは面白いと思うが、作品として面白くはない。台詞と歌の境界線が曖昧なのはいいとして、歌曲がぼんやりしていてキャッチーな曲もなくカタルシスがあんまりない。報道陣の輪唱とか異口同音的な見せ方は面白いと思ったけど、何が言いたいのか何を見せたい話なのかもぼんやりしているように思う。
殺人事件に興味がありウンチクみたいのさんざん披露したタクシー運転手がもっと絡んでくるかと思いきや出てこなくなるし。殺人事件で一躍有名になってしまった町の住民が、町に明るさを取り戻そうとする話、なのかなー。色々思わせぶりなんだけど、ことごとく不発に終わっていくリアリティある作品(いい意味ではなく)てことになるのかなー。

全体的に舞台演劇らしさを極力排除しようとしてる感があって、そのせいで却って違和感になってる気がしないでもなかった。まず冒頭、ナレーションか狂言回し役いたんじゃないかなーと思われるとこをキャプションで説明してくるのが気に食わない。文字で説明してしまうと観客を引き込みづらくなり、多分コミカルにたたみかけてるインタビューのモザイクも楽しくなくて入りづらくなってると思った。

ずーっと音楽が流れてて歌の入り際になると音量が上がるやり方は悪くないと思う。歌声をかき消さないよう配慮したんだろうけど、音量控えめすぎてリズムやカウントが不明瞭になったせいで歌曲の良さがわかりづらくなってた。『CATS』は音量でかすぎて歌聞こえづらくてムカムカしたが、こちらはこちらでちょっとイライラした。
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