「好きそうなの沢山あるから入った方がいいっすよ」てすすめられるんだよU-NEXT。でも、だからこそ頑なに加入しないんだ。ここで相手が言ってるおれが好きそうなのって低偏差値バカホラー/スプラッターの類なんだよ。
一度加入した時に「おお、懐かしい🤩」てなってバカスカそういうの再鑑賞しちゃって、いい加減いい年だしもっと中身のある人の心や社会構造に言及した映画を観ようとしてたから、思いっ切り妨げなんだよ。しかし、配信コンテンツの競争の激しさからか、最近アマプラでもそういうのがぼちぼち見放題にアップされてきてんだよ。この前もつい『エボラ・シンドローム』観ちゃったしさ。そして手を出すと同系統すすめてくるじゃん。そんな流れで本作を発見してしまったんだよ。
大してどころかまったくおもしろかった記憶ないけど、なんかそれを確かめたくて再鑑賞しちまったんだ。
思ってた以上にダメだったな。バスケットボール🏀仲間のギャルが親が留守にするトリッシュの家に集まってパジャマパーティーを開く、そこに精神病院から脱走した伝説の凶悪殺人鬼がやって来てギャル達をしていくという、カーペンターの『ハロウィン🎃』の大ヒットに便乗すべく大量生産された駄作の一本。
何がダメってそれはもうほとんど全て。
緊張感のない演出、ダサいシンセのSE、パッとしないゴア・スプラッター、と本当に80年代ショボスラッシャー映画のお手本のような作り。
中でもいかんのはスラッシャーの殺人鬼が妙に小ざっぱりとした風貌のおじさんなことな。デニムのセットアップもパリッとしてるしブーツも小ぎれいで、インナーの赤のスウェットも趣味が良い。これでキーをつけたカラビナでも付けてたら最近一部の若者に流行りのアメカジ・コーデのお手本だよ!長年精神病院に居たように見えない。なんかサイコ的な怖さが薄い。ビジュアル・インパクトって大事じゃん。あえて定型を外したのかも知れないけどスベってる。あと、武器が一角獣の角みたいな細長い電動ドリルだから派手なゴアにならない。ギュイーンて作動音も小さいし、実際それで殺られたら痛いのわかるけど、映画的な痛みとビジュアルインパクトに欠けるんだよなぁ。
そんなわけで1つも楽しめなかった。ノスタルジーだけは強烈に喚起されたけど笑
最後に『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』で書き忘れたことがあったんでここに記しておく。
鑑賞二日前の電車の中で高校生の女の子4人組が大声で映画の話してたのが聞こえてきた。
「エイリアン ロムルス ヤバかったね」「ビートルジュース ビートルジュースどうする?」とかけっこう出てくる映画のセンスが良いので密かに集中して聞いてた。
そうしてると、一人の子が「レディ・ガガ出てるけどジョーカーどうする?」と他のメンバーの意向を伺う感じで言った。それを受けて聞いてた印象でリーダー格っぽいく見える子が「キモおぢの話はいいよ 興味ねぇ🤭」と一蹴し、他の子達がそれに同調し、みんなでキャハキャハと爆笑しだした。
その時はまあ、ティーンの女子からすればそんなもんかと新鮮な気持ちなりつつ、「でも、君らには分からないだろうが、そんなしょうもない映画なはずないんだよ😌」と心の中で自分の大人としての見識の深さを自画自讃して二日後に観に行ったら彼女が言ったとおり正真正銘の「キモおぢ」の話だった😩
マジで『ジョーカー フォリ・ア・ドゥ』ムカつく💢まだ本作の方がおもしろいぜ😬💨
と、またフォリ・ア・ドゥに腹立てていたら悲しいニュースが飛び込んできた。
IRON MAIDENの初代ボーカル、ポール・ディアノの訃報が😢
MAIDENはNWOBM(ニューウェーブ・オブ・ブリッティシュ・ヘヴィメタル)の旗手として世に出たわけだが、パンクを通過したラフなアグレッションがそれ以前のメタルとの違いで、それを象徴していたのがポール・ディアノの噛みつくようにシャウトするパンキッシュなボーカルスタイル。躍動感のある緻密な構成の楽曲にラフなディアノのボーカリゼーションを力技で乗せるのが初期MAIDENの最大の魅力だった。
おれがポール・ディアノの観たのはKILLERSの来日の時。名前から分かるようにディアノ在籍時のMAIDENの名盤から取ったバンド名。本人は元MAIDENを強調したくなかったがこの名前じゃないと契約しないとレコード会社から言われてつけたバンド名だから複雑な思いがあると言っていた。
おれが行ったライブはKILLERSの1stリリース後のもの。ライブついて述べる前に1stを内容を説明するとリリース当時としても古式ゆかしい古臭さを感じるベーシックでオーソドックスなものでいい曲もあったがスピードメタルからMTVメタルによったキャッチーなものやAORのようなムーディーなナンバーまである、良く言えばバラエティに富んだ、悪く言うと焦点ボケの散漫なアルバム。正直退屈だった、、笑
ライブはKILLERSの曲とディアノの在籍時のMAIDENの2ndまでの楽曲という構成で当然だがMAIDEN時代の楽曲が盛り上がっていた。
盛り上がっていたと言ったがこのライブ、お客さんが超少なかった。メタル自体が低迷期で本家のMAIDENすら苦戦してた時代のエクストリーム・ミュージック好きには魅力が薄かったのだと思う。
会場はクラブチッタだったんだけど前でポール・ディアノに合わせて難なく端から端まで移動できるぐらいの閑散具合。そして肝心の演奏はリズム隊不安定でギターもイマイチで流れも悪かった。ディアノがMCで「やるぞー」と叫んだ曲と別の曲が始まったりと散々なもので商業ベースのメタル・バンドとは思えなかった笑
でも、ポール・ディアノは無傷だった。ライブはさむかったがポール・ディアノは輝いていた。音源と変わらぬパンキッシュなシャウトと独特のザラつきのあるパワフル・ボイスに圧倒された。超越した才能とはそういうものなんだ。多少コンディションが悪いぐらいで輝きが消えることはない。
しかし、この残念なパフォーマンスと2ndで当時の流行りに便乗したPANTERA以降のモダングルーヴに手を出し(世に言うPANTERA症候群に罹患)失速していく。
黒歴史的に語られるKILLERS(いや語られてもないか)、比較的まともだった1stも今聴く価値はない。けど、T-REXのChildren of the Revolutionのカバーは素晴らしい!これでT-REXに興味持ったしオンタイムで聴いたバンドなのでKILLERSのことも忘れないでほしい。
KILLERS (feat Paul Dianno) - Children of the Revolution
https://youtu.be/TeJtxXta4lg?si=ce1QKvh7cfgOn0w3