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我らが門の内にてのkazu1961のレビュー・感想・評価

我らが門の内にて(1920年製作の映画)
3.2
▪️Title : 「我らが門の内にて」
Original Title : 「Within Our Gates」
▪️Release Date:1920年公開
▪️Production Country: アメリカ
🏆Main Awards :※※※
▪️Appreciation Record :2020-109 再鑑賞
▪️My Review
凄く貴重な作品なんですよね。黒人映画作家による現在する最古の作品なんです。どうやらフィルムが紛失されていて、1990年代まで見つからない作品だったようです。
しかしこの時代に黒人の監督が黒人の出演のもとで、黒人の差別問題を取り扱ったことがほんとに困難に立ち向かったといあことですよね。
本作の監督、オスカー・ミショーは黒人映画監督の先駆けです。ハリウッドの大手映画会社が黒人のつくる映画に関心を示さなかった時代(1920~30年代)に、自主制作で40本近い映画を撮影したそうです。黒人自身に地位向上のための努力を訴えるような内容の作品が多くあります。
本作は、D.W.グリフィス監督の大作「国民の創生」への当て付けとして制作したと言われるミショーの代表作です。
物語は。。。学校運営の資金集めのためにアメリカ北部にむかった黒人女性シルヴィアの受難を描いています。。。
D.Wグリフィスが黒人は「皆」愚かだと決め付けていたのに対して、ミショーは2人の白人の婦人(1人は差別的、1人は博愛主義者)、そして愚かな黒人をも描写した事によって、人は1人1人違っている事を表現して、「国民の創生」に反論しているようです。また当時タブーであったリンチやレイプにも正面きって向き合った作品でもあるんですね。
ミショーの成功で、黒人俳優が登場する物語を黒人専用の映画館で上映する人種映画と呼ばれるジャンルが誕生したことでも意味ある作品ですね。
しかしながら、社会的意義は感じますが、映画としてはプロット自体に面白味が少なく、また無声映画を映画版の説明挿入で観たことで細部の意味が少し把握しきれない所もあったのが、残念です。。。

▪️Overview
監督/脚本、オスカー・ミショーの作品で、現存する最古の黒人映画作家による作品。また、出演陣も黒人が多く、のちの黒人映画の成立に多大な影響を与えた作品。
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