ナチス第三の男の作品情報・感想・評価 - 25ページ目

「ナチス第三の男」に投稿された感想・評価

思ってたんと違う作品だったが、最後まで楽しめる力作。
前半はハイドリヒの半生を後半は暗殺計画を描く。
後半はエモーショナルなシーンが多すぎて比較的淡々としていた前半部分が霞んでしまうほど。
突然のアクションシーンもなかなかの出来。

このレビューはネタバレを含みます

ハイドリヒごナチスの親衛隊の重鎮として台頭し、暗殺に斃れるまでを描く実話ベース作品。
一昨年前に国内公開された『ハイドリヒを撃て』という作品があったが、こちらは暗殺者二人の側よりもハイドリヒ側の視点がウエイトとして「かなり強め」。

というのも、冒頭から中盤までの半分をハイドリヒが海軍軍人を免職になってからナチス党員となって親衛隊副官に上り詰めて暗殺されるまで、後半部はその数ヶ月前に遡っての件の暗殺者二人のプラハ潜入からハイドリヒ暗殺と自滅まで、という具合で尺としては均等。
しかしながらジェイソン=クラークの堅実且つ圧倒的なカリスマを放つハイドリヒの圧を浴びた後では、根が純朴な青年の暗殺者二人に視点が移るとどうにも興が一旦冷めてしまうのが作劇としてちと痛い。
ハイドリヒ側が1929年に女性問題で海軍を不名誉除隊してから一足飛びで1939年頃に話が進んでたし、両サイドの物語をクロスカッティングで描けばもっとスリルが持続したのではないかと思う。
銃撃戦が当時の銃器の火力よりも幾分か盛っているかと感じるぐらい迫力で凄惨だったので余計に勿体無い。

作品のハイライトは、暗殺者の投げた手榴弾が致命傷となって、旧ボンドガールでお馴染みのロザムンド=パイクとヒムラーに見守られながら病院で臨終するシーン。
妻に息子を立派なアーリア人として育てるよう諭し、同士ヒムラーにユダヤ人絶滅計画書を託して静かに息を引き取る...。
やってることは狂信からの大量虐殺以外の何物でもないのに、志半ばで愛する者に看取られながら息を引き取るごく自然な封建家庭の一幕に見えるのが本当にゾッとする。ゾッとするという言葉で足りないぐらいゾッとする。
報復としてナチス親衛隊の暗殺者の青年二人の苛烈な討伐が始まり、お互いの検討を称え合いながら共に自害するが、「死に際の尊厳」という括りで言えばハイドリヒのそれも大差が無く見えるのがなんとも悍ましい限り。

細かい点では序盤、海軍軍人時代からのハイドリヒの異能ぶりが端的にでも描かれればより怪物感がストンと観客に受け入れられたのではと思う。
後の義理の父に己の有能さを示すために鶏小屋の運営の不備を即座に指摘する件は上手かったが、短期間でそれを是正する手腕を画で見せて欲しかったところ。

ともあれ、要人の暗殺はたとえ完遂出来たとしてもその報復として無関係の無辜の人々が血祭りに上げられ、最悪は体制側に支配の正当性を与えてしまう皮肉な結果ももたらすのは誰にでも予想し得る。
それを差し置いても暗殺という行為に訴えざるを得ない状況と思考というのが如何に狂気的であるかを考えさせられる。
それとこれを言ったらお終いかもしれんが、登場人物みんな英語じゃなくてドイツ語喋ろうよ...。
大阪

大阪の感想・評価

5.0
絵とBGMで引っ張るタイプの映画、割と好き。
開始数分でセックスが始まって!?となるけど、女性関係で軍法会議にかけられたりしたことと、後々特に説明はないものの描写される女癖の悪さがあったからぽい。
「浄化」のシーンだとか、時々挟まれる映画を観るハイドリヒのシーンだとか絵にひどいシーンではあるけど絵になる。
後半はチェコスロバキアでのレジスタンスに視点が移るけど悲哀を感じさせながら描かれて最後のトラックみたいなのありがちだけど割と好きなのでオッケー
ゆ

ゆの感想・評価

3.0
フォーカスしてほしいところが違ったなぁ。

それにしても、ドイツ、チェコ人が英語というのはいいけども、ファッキン下水道はないだろう。
これ系の映画大抵途中でわけわかめになることが多いけど登場人物が整理されててかなりわかりやすかった
前半でハイドリヒの出世ストーリー応援してたら後半で猛省するやつ
チェコ人の諦めシーンはキタ・・
原作を「HHhH」とする意味が1ミリもないな。ダブルジャックが演じた、ヨゼフとヤン。本来タイプの異なるこの二人をタイプの若干似ている二人が演じているのも、マイナス要素ではないか。それぞれいい俳優なんだけど。で、ハイドリヒのことを前半エンスラポイド作戦を後半に描いていて、どうもバランスがあまり良くなかった。同じ出来事を描いている「ハイドリヒを撃て!」と比較してしまうけど、銃撃戦の激しさも弱い(時間も短いから)印象。でも、ほんのちょっとの出番にも関わらずノア・ジュプくんは可愛かったし上手かった。原作とする「HHhH」が持っていたあの作品ならではの特徴は一切なし。本当にただのエンスラポイド作戦で、ちょっとハイドリヒ側も描いてみましたってなものになってる。むしろハイドリヒのことを書いた本を読んだ方が良いのかもしれない。ヒムラー役誰かと思ったらスティーヴン・グラハム。すごい化けてた。アインザッツグルッペンの残虐さなどは、それなりに描いていたと思う。
Elijah

Elijahの感想・評価

4.0
劇場鑑賞。
ドイツ・ナチス側と抵抗側を交互の同時進行で描いていく訳ではなく、前半がラインハルト・ハイドリヒ(ジェイソン・クラーク)のパート、後半がヤン・クビシュ(ジャック・オコンネル)とヨゼフ・ガブチーク(ジャック・レイナー)のパートで描かれ、そして「エンスラポイド作戦」へと終結する。
どうしても同じ題材を描き直近で見たばかりの『ハイドリヒを撃て!「ナチの野獣」暗殺作戦』と重なり既視感が否めない。
エンスラポイド作戦や抵抗側の人物描写に関しては『ハイドリヒを撃て!』の方がよりハードで、この『ナチス第三の男』はソフトな描写に感じ取られるので、その辺りで好みが分かれるかと。
人道的な行為をした人間が処罰を受け、非人道的な行為をした者が何のお咎めもない世界にやるせなさを感じずにはいられない。
ナチス高官ひとりに対し村人たちの虐殺の代償は計り知れないものがある。
いとも簡単に躊躇もせず人間を射殺できる感覚は絶対に理解すべきことではないと改めて誓う。
冷たい容姿が役柄に合っているロザムンド・パイクと安らぎ的な立ち位置だったミア・ワシコウスカの女性キャストはどちらかと言えば助演的な役回り。
小さな役でジル・ルルーシュが英語演技で出演していたことが嬉しい。
お目当てのジャック・オコンネルとジャック・レイナーの容姿が似ていて(2人のあの髪型がとっても好き)、友情を超えた兄弟愛的なものを感じ取られる(ここも『ハイドリヒを撃て!』から得る印象とは違うところ)。
撮影時、セドリック・ヒメネス監督は名前がややこしいので「ジャック」と「ジャッコ」と呼んでいたとか 笑。
ぷに

ぷにの感想・評価

3.3
前半と後半で目線が変わるのがなんとも良い。
前半はハイドリヒ側,後半は暗殺側

正直言ってその歴史をまったく知らずに観たんですが
既視感がたっぷり。。。まあ,ナチスものってもはや似たり寄ったり
よくもまあ毎年毎年ナチス関連映画が公開されますね。

ネタには困らないナチス

「ナチスと私の秘密の時間」とか
「ナチスと黒い魔法使いの誕生」とかいくらでも作れそう。。。



2019.1.25
TOHOシネマズららぽーと富士見

2019年31本目
茶色

茶色の感想・評価

3.5
前半はハイドリヒ側の目線、後半はチェコスロバキア軍人と協力者目線で展開していく。
原作は未読。「ハイドリヒを撃て!」を観賞していたのでチェコ側の計画等はわかったいたが、観ていなかったら理解できなかったかもしれない。
微妙な描写が「撃て!」とは違っていた。
また「撃て!」の方はカメラアングルやキャストの映し方が美しくアートっぽく感じたが、こちらは淡々とキャラクターの映し方もこざっぱりしていた気がする。
しかし観ていてしんどいのはどちらも同じ。アタがこちらのが若いのでキツかった。ノア君の演技は素晴らしいな。
劇中で誰かが息を引き取るシーンをこんなに「無」で観たのは初めてかもしれない。
ハイドリヒがほぼ出てこない「撃て!」の方が緊張感は凄かった記憶
somal

somalの感想・評価

3.7
シャンテ1の空調は故障中
吹出口からカラカラ音がするので神経質な方はご注意を

原題はナチスの高官ハイドリヒが総統から賜った二つ名
自分は知らなかったので、相変わらず邦題のセンス無いななんて思っていました
恥ずかしい~(苦笑)

間違っても、ナチス、ホロコーストもので感動したい人が観てはいけない作品です

ハイドリヒ側と暗殺者側、双方の視点から、史実を下書きに物語は進みます
この作品がなぜR15なのかなと思いながら上映が始まり、開始10分程で答え合わせが終わる

正直、ラストのまとめ方かかなり強引で、ああいう画を描きたいがために無理やり持っていった感が否めませんでした

相変わらず美しい、ミア・ワシコウスカを観れたのが救い