てつこてつ

アトリエの春、昼下がりの裸婦のてつこてつのレビュー・感想・評価

3.2
タイトルや雰囲気から勝手にキム・ギドク監督作品だと思い込んでいたが、全く違った。

アート系の作風ではあるものの難解でもなく、ハッキリと美しいストーリーが伝わる。

1960年代の韓国の海沿いの町が舞台。ソウルからやって来た彫刻家は、ギャンブル好きの夫にDVを繰り返される一人の若い妻の裸婦像の制作に取りかかる・・。

裸婦像のモデルとなる女優さんの寂しげな佇まいがいい。タイトルにもある彫刻家の仕事場であるアトリエの窓や天井の隙間から差し込む自然光、ライティングが絶妙。何と言っても、舞台となるロケ地の自然であったり、60年代当時の登場人物たちの服装に趣がある。

女性が乳房を露わにしても、全くもってしてエロ要素を感じさせずアート系の路線を崩さない演出もいい。

もう少しクセがある作品のほうが好みではあるが佳作。
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