following キャサリン子さんのレビューに、ラストのシャーロット・ランプリングの表情をたしかめたくてレンタル。
漸く観れました。
以下ネタバレありで
冒頭、妻ケイトに対し死別した彼女のことを臆面もなく話し続ける夫ジェフを見て
認知症?🤔と疑いを持ったが、そうではないらしい。
病気や障害を疑うほど、コミニケーションや思い遣りに欠けて見える男性は、わりと目にすると哀しく思いながら。
母のお腹に私がいた頃、母の心に「さざなみ」が起きた話を思い出す。
ジェフはケイトより随分年上の様子。大病もなく順風満帆な人生を歩んできたのか、と思えば、ルビー婚はジェフのバイパス手術によりパーティーを見送ったらしい。
バイパス手術🤔自分の人生を振り返ることなどない気楽で手軽な手術?と疑問が。
私の父は交通事故に遭い、母に対する愛情と感謝、そして自らの甘えを痛感したと語っていたので、あのスピーチには驚いた。
初見では、ひたすらデリカシーに欠ける夫ジェフに心底、嫌気が差して辛かった。
印象的だったのがケイトがピアノを演奏したシーン。
最初はバッハ。
"Prelude in C major"(前奏曲ハ長調)
つぎに楽譜を取り外して演奏したのが🤔
作者がわからない。
検索すると、シャーロット・ランプリングが撮影時に彼女が即興で演奏したと。
Franz Lisztの "Comment,disaient-ils" を意識したとの一説が興味深い。
http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S2927.htm
「どうやって」彼らは尋ねた
「忘れるの 争いごとや
ひどい不幸や危険のことを?」
「眠るのよ」彼女たちは答えた
どうしてもジェフを冷たい目で見てしまい、失望してしまう。でも🤔
ジェフ自身、50年前に心では既に妻子同然の2人を事故で失った傷を負って生きているとしたらー
妻ケイトを思い遣る余裕がないのも、病に冒されて見えるのも、私自身がフェアな目線で見れないからかもしれないと感じた。
そんな夫に対し、
「もし彼女とそのまま一緒だったら、彼女と結婚してた?」
と思わず問いかける妻も、無神経に答えてしまう夫も同じくらいホラー。
そしてふと思い出したのが、ビフォアシリーズのイーサンホーク演じるジェシーの、
完璧ではないが本物の愛がここにある、と訴えた名台詞。
今作の夫婦を演じたベテラン演者さんは、2人とも素晴らしい演技だった。
でも、45年も連れ添う夫婦の末路に悲劇は見たくないと感じる。
(これは娘目線で両親をみつめる私自身の願いが強い)
今、無性にビフォア・ミッドナイトのラストシーンが観たい。