「真実を知ることの残酷さ」を45年連れ添った夫婦に乗せて描く、じわじわ締め付けられるような悲劇だった
過去の女という、見えない亡霊
幸せに満ちたはずの45年が
偽りに満たされていく45年に・・・
「あなたは何を思って今まで生きてきたの?」そう何度も言いたげな妻シャーロット・ランプリングの表情が絶妙!!
あの時の若さで
あの時の幸せの絶頂のまま
冷凍保存されてる女に
自分は勝てない
これが例えば、男女の立場が逆転してれば「女性の神秘」として成立してそうなところを、過去に引き摺られ、挙句の果てには盲目になってしまう夫を横目に、その全てを見破り粉々に砕け散っていく妻の心理状態というのは、45年という年月の重みがあるだけに、かなりの悲劇に相当する
結婚の思い出
積み重ねた時間
それらすべてが「亡霊」の二文字に侵食されていく冷気
だから、幸せは儚い
とか、そういう簡単な言葉では語りつくせない「愛の正体」みたいなものに迫ろうとしてる映画
味わい深い成熟したお芝居があってこそのストーリーですね♪