イペー

シティ・オブ・ゴッドのイペーのレビュー・感想・評価

シティ・オブ・ゴッド(2002年製作の映画)
4.2
神の街に昇るのは黒い太陽!

ブラジルの"神の街"で生きる、ストリートギャング達の暴力と青春。

ブラジル、とりわけリオデジャネイロにはファベーラと呼ばれるスラムが点在しています。貧しさに喘ぐ中で犯罪が多発し、警察も腐敗、想像を絶する無秩序が支配する地域です。

本作はファベーラに住む若者たちを俳優に抜擢。演技訓練を施して撮影されています。実話を基にした原作を背景に、ホンモノたちが出演するリアリティ。

本物志向でありながらも、この作品は優れた娯楽映画。しっかりと準備された土台に、練られた脚本とテクニカルな映像。
結果として、画面の中では凄惨な暴力と底抜けの陽気さが奇妙に調和しています。

純情なカメラマン志望の少年、ブスカペの視点を借りて、ストリートギャングたちの抗争の歴史を、十年に渡るスパンで描く群像劇が基本的な構造。

強盗、麻薬、殺人が日常化した世界に、多数の登場人物。一見すると雑然とした物語の中心で、常に強烈な光を放つのは、ワルたちのボス、"リトル・ゼ"。
少年期から青年期まで、彼の昏い輝きが
関わる人間を強烈に照らし、時には焼き尽くしてしまう。
その存在はまさに黒い太陽であり、この映画を内側から突き動かすエネルギーの源でもあります。

疾走感の溢れる展開に、ストンと腑に落ちるラスト。自分も感情をサンドバッグにされ、強引に映画の中に引きずりこまれてしまいました。ラテンの血が騒いだかな…。

紛れもなく傑作です。でもコドモが酷い目に遭ったり遭わせたりな場面もあるので要注意。コドモが泣くのを見るのが、どんな残酷描写を見るよりもツライんですよ、自分は…(キメ顔)