こんな世界で生きる子どもたちがいる。
銃、麻薬、強盗、殺人、ギャングの抗争。羅列してみると荒廃したスラムの悲惨で冷酷な現実ばかり突きつけられ思考停止しそうだが、リオが舞台ということもあるのか、何故か人間の生命力や熱っぽさも感じる作りだった。
何よりタランティーノ顔負けの、映像やカットや音楽のスタイリッシュさに引き込まれた。時間軸や群像劇で入り組んだストーリーも、実にわかりやすくまとまっていて見やすい。
権力という名の椅子から誰かが引き摺り下ろされても、別の誰かがまたすぐその役を演じ始める。世界のどこかで、今日も。
ブスカペのカメラが唯一、地獄と化したスラムの希望の象徴に思えた。