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パディントン 2のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

パディントン 2(2017年製作の映画)
4.1
ベン・ウィショーの声を聞きたかったのに、グズグズしている間に吹き替え版のみの上映になってしまってて残念…。
とはいえ、松坂桃李の日本語吹き替え版も良かったですよ。
今回もとっても楽しめました!

前作では、ペルーからイギリスに密入国してきたパディントンが移民の象徴として描かれ、自分とは違う人種、価値観などを受け入れる「寛容」がテーマとなっていましたが、今作でもそこの部分は貫かれていて、誰かに向ける優しさで自分も周りも幸せになれること、人の良いところを見つめることで変われる、というような事がメッセージとしてあったと思います。

同じ日に「デトロイト」を見たのですが、差別の醜悪さや恐ろしさをハードに描いていたのとは全く対照的で、本作はもうほんとに安心して見れるし、幸せな気持ちになれるし、優しさに癒されてほっこりしましたよ。

前作では未開のジャングルから都会に出てきて、何もかも初めてな事ばかりでドタバタと失敗したり、家族や街の人に受け入れるまで大変だったパディントンが、もうすっかりブラウン家の一員だし、ご近所さんとも仲良くなってロンドン暮らしに慣れた様子でした。

それも、パディントンの人柄というかクマ柄というのか、誰にでも分け隔てなく挨拶を交わし、とっても優しくて紳士的で、そういうところがブラウンさん一家や街の人達に愛されてるのが伝わってきてきて、パディントンがその後幸せに暮らしているのが嬉しくなりました。

命の恩人であり育ての親でもあった叔母さんの100歳の誕生日にロンドンの名所が飛び出すアンティークの仕掛け絵本をプレゼントしようと奮闘するところも可愛すぎて、絵本の世界に入り込むところなんて、夢いっぱいの映像がめちゃくちゃ素敵で胸が踊るように楽しくて最高でした。

古く趣のある街並みと煌びやかな大都会ロンドンの光景も、アンティークショップも、夜の移動遊園地も、汽車も、そして刑務所までもファンタジックでメルヘンチックに描かれていて、今回もウェス・アンダーソンぽいなと思いながらワクワクしてすっかりカラフルで可愛らしい映像の虜になってしまいました。

もちろんパディントンも赤い帽子に紺のコートがお似合いで、悶絶するくらいの可愛らしさだし、日本にも「情けは人のためならず」なんて諺もありますが、誰かに向ける優しさや、性善説的に人を信じることで世界が変わっていくところが、この世知辛い時代にあってほんとに癒されて、心があったかくなりました。

前作ほど多くはなかったですが、今回もカリビアンバンドの奏でるカリプソも聴けて、もういろいろ幸せでした。
人を見かけで決めつけたり偏見や先入観で見たりするのではなく、その人の良さを見つめて認めることの大切さにあらためて気づかせてくれ、伏線回収もお見事な作りの良さ、可愛らしい世界観を映し出した素晴らしく美麗な映像など、心を満たしてくれる作品でした。

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