１作目でわたしが胸打たれたのは、パディントンを受け入れたブラウン一家の懐の深さだった。人でもクマでも、ひとりぼっちは放っておけない。偏見や疑問よりも先に動くやさしさにじんわり泣かされた。そして２作目、一家から受け取った温もりを手に、パディントンはそのバトンを繋いでいく。どんな人にも礼儀正しく親切に。人種も悪人も損得も越えて、ギュッと丸ごと抱きしめてくれる世界観。ああ、なんて暖かい。現代社会に必要な全てがここにあったよ。きれい事でもいい。不可能でもいい。今わたしはこの映画に溢れる良心を信じたい。CGを多用した作り物の映像。けれど最後に残るのは、泣きたくなるほど柔らかいほんまもんの手触りでした。
