小麦番長

プレーム兄貴、王になる/プレーム兄貴、お城へ行くの小麦番長のネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

【人情プレーム先生、王家で愛を教える】

ラジニカーントの『リンガー』を観たとき、何かで最近のインドではダンスシーンを盛り込んだ古典的なコテコテな映画は“古い” とされあまりウケない、と読んだことがあったのだけど、今作も2015年なのね^^;
リンガー、今作辺りが本当にもう『コテコテインド映画』の終焉なのかもしれない。

ほぼYouTube でしか観たことのない、古典タイプのダンスシーンを大画面で観れて大満足。^_^

今作は主人公のプレーム兄貴が『壮大な兄弟ゲンカ』を仲裁することによって異母兄弟・姉妹たちが愛を再確認したり、藩王との結婚が決まってはいるけど果たして藩王と自分との関係は『本当に愛なのか、愛とは何?』と悩む王女に愛を教える、
『プレーム先生、王家で愛を教える』おハナシ笑

昨日地上波でピクサーの『リメンバー・ミー』を観て思ったけど、日本は海外ほど家族愛をテーマにした作品作らないよね。
家族内のゴタゴタを描く作品はあるけど、“ 家族愛の再確認” みたいなのがテーマな作品はウケないのかもしれない。

もうね、コワモテのSPたちがペンとメモ帳持って踊り出したしたりとか、相変わらず突拍子もない古臭いダンスシーンも楽しくてエンタメ映画としてサイコーなんだけどとにかく、意外にしっかり描かれてるサブキャラ達が良い。

“愛人の子” として日陰で暮らし恨みしか抱いていなかった妹がプルーム兄貴の愛に困惑し葛藤する演技も良かったし、ひたすら真面目な警備主任もカッコ良かった。(サッカーでは弾けてたりね(^◇^;))
(なんか竹内力も居たし笑)


そして、一番ウルっときたのは王女との愛より家族愛より、あの宰相との関係。
この宰相役の俳優さん、どこかで見たなーーとずーっと思って後から調べたら、『ホテル・ムンバイ』のコック長の人だ。
なるほど、真面目で真摯に仕える役は得意なのかもしれない。

頑なな宰相の心の隙にもスッと入り込み、最後に抱きしめ合うシーンは(結局童貞だったのかな笑^^;)ワタシ的には一番クライマックスだった。

とにかくサブキャラ達が演技がスバラしく存在感があって、王女役の女優さん(『パッドマン』でパッドマンを助けてた女性)が霞んでたかも??(^^;;

サッカーの場面では『家事だけのために家に籠るのはもう嫌!!』と女性たちが奮起したり、男尊女卑を扱うことの多くなった最近のインド映画の傾向も踏まえてはいるものの、
日本的に例えれば『昭和的』と言うのかな。
古臭いけど、まだまだ作って欲しいなーー、このタイプのインド映画。
小麦番長

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