あみるかん

牛のあみるかんのレビュー・感想・評価

(1969年製作の映画)
3.7
1968年に制作されたイラン映画の歴史を変革させた歴史的に重要な作品。その歴史的意味を僭越ながら少し解説させて頂きます…

1979年、イラン革命の成就に伴いホメイニ師が約15年振りにイランに帰国。イスラーム共和国に生まれ変わったイランではイスラームの偶像崇拝禁止の慣例に伴い、その後数年間映画が1作も制作されない時代が続きました。
このままイランの映画文化は失われていくと思われた最中、ホメイニ師がこの『牛』を高く評価する発言をしました。その結果イランでは映画制作が再開されることとなります。この作品がなければその後国際映画祭でイラン映画が数多くの賞を獲得することもなかった訳ですから、世界の映画史的にもとても意味のある作品と言えるでしょう。

ストーリー自体はとても不思議で幻想的。要約すると、自分が溺愛していた雌牛が死んでしまった主人公が錯乱し、次第に自分を牛と思い込んで行くという物語です。
主人公ハサンを演じる俳優さんの演技力が凄かった…
あみるかん

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