hi1oaki

SCOOP!のhi1oakiのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
3.6
大根仁監督は漫画原作の作品を巧く撮るイメージがありますが、個人的には逆に映画やドラマを漫画のように撮る人なのかなと思います。だからリアリティのラインが低くても、そこを気にすることなく物語に入り込める。漫画原作であっても一度実写に起こしたものを漫画的にまた落とし込むという作業をしているイメージ。
漫画らしいという点ではこの作品、“連載半ばにして打ち切りでいきなり最終回”感のある終盤ですよね。伏線は張ってあるものの、これって大根監督じゃなかったら、あの展開は抵抗あるかも。なんというか個人的には“自分はこの作品好きだったからもっと観たかった(読みたかった)”という感想を持ちました。
ある人物が泣くシーンが“ウァァァァァァァァァン”っていうダメ映画な泣き方じゃない所とか、全体的に漫画的に誇張はされていても語り過ぎないのが上品で清々しい。
ただ、昨今の日本映画によくある下着を着けたままのベッドシーン、アレはどうかなと。多方面に気を使った結果だとは思いますが、逆に作品の質を落としてるんじゃないかと。必要に迫られたヌードってエロくはあっても下品ではないでしょう。“体当たりセクシー演技”みたいなこと言われてもね。アレならいらない。普通のキスシーン程度でいいと思う。
1980年代のテレビ映画「盗写 1/250秒」を原作としているこの作品、おそらくVHS以降のソフト化はされていないかと思うので、比較できないのが残念なのですが、大根作品としておとなしめに感じてしまうのは原作映画へのリスペクト故なんでしょうかね。
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