yumeayu

SCOOP!のyumeayuのレビュー・感想・評価

SCOOP!(2016年製作の映画)
3.5
桃パイさいこー!

福山雅治が下ネタ全開のパパラッチを演じたことで話題となった今作。
オールナイトニッポンを聴いていた世代としては、下ネタ、カメラネタなんかは馴染みがあったけれど、あのゲスい感じはどうも違和感。
やっぱり普段のイメージから、どう演じても汚らしさや下品さは感じられず、演じてる感が否めない。

パパラッチを題材にした作品といえば「ナイトクローラー」が頭に浮かびます。
ゲスさで言えば「ナイトクローラー」の方が何枚も上手ですが、今作のほうがエンタメ性が高く、テンポも良くて取っつき易い作品でしたね。
だけど、エピソードを詰め込みすぎて結局何を伝えたかったのか、映画の主題がいまいちわかりませんでした。

主役は福山演じる静ですが、ストーリー的には二階堂ふみ演じる新人記者野火の成長物語といった感じ。
右も左もわからない彼女の視点を通して、観ているこちらもパパラッチの世界に飛び込み、スクープを狙う週刊誌記者達の仕事ぶりを垣間見えたのはよかった。

ただ、現実離れしたカーチェイスや、警察の無能っぷりなどは興ざめ。こういうリアリティを欠く演出は残念。
せっかくパパラッチという特殊な職業を描いているのだから、もっと職業映画としてリアリティにこだわってほしかった。

静と野火の関係についても、バディもの、もしくは師弟ものとして面白くなりそうだったのに、最終的に男女の中になってしまったのはガッカリ。
静の意思を野火が受け継ぐようなシーンだけで十分だった。
特に後半のラブシーンは必要のないカラミだと思う。
そのくせ下着でガッツリ隠すという往生際の悪さ。脱ぐなら脱ぐ!

あと、忘れてならないのはリリー・フランキーの怪演ですね。あれは強烈。本当にキメてんじゃないかと思いました(笑)。
だけど、最近邦画を観ると必ずと言っていいほど、この人が出てくるので、若干飽食気味ではある…。

ちなみに気に入ったシーンは、シルバニアとキューピーとミニカーを使った作戦会議。「ツルツルじゃねーか!」には笑った。
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