こたつむり

ジョン・ウィック:チャプター2のこたつむりのレビュー・感想・評価

3.3
★ 「それはまるで闇夜に浮かぶ雲でした」

身を焦がした怒気の炎。
それは世を焼き尽くし、修羅の道を切り拓くことになった始まり…。キアヌ・リーヴス主演『ジョン・ウィック』の続編。

物語は前作の5日後から。
…なのですが、満身創痍だったはずの主人公は元気いっぱい。序盤からバリバリと闘っちゃいます。彼が“人間をやめている”と実感した瞬間でした。

これは比喩でも誇大表現でもありません。
しかも、彼らの闘いは現実社会に影響しませんからね。殺し屋とのバトルを各所(ライブ会場、駅構内、電車の中、雑踏…)で繰り広げますが、周囲の反応は薄く、まるで“存在しない”ように感じるのです。

また、彼らの理(ことわり)。
契約に則り、友人の血を流すことも厭わない…プロフェッショナルを極めた向こう側にある“血まみれ”の法則。それは一般人が踏み入れない領域。

そう。彼らは違う次元で生きる存在(もの)。
それを人は“修羅”と呼ぶのでしょう。

だから、彼らに共感など出来ません。
彼らの周囲はカラカラに乾燥していて。
そこに軟弱な喜怒哀楽など存在できないのです。

だから、ひたすらに。
闘う。闘う。闘う。闘う。闘う。
凡庸なる僕は激しく瀟洒な戦闘を目で追いかけるだけでした。

ただ、そんな中で口角が上がったのは。
キアヌ・リーヴスとローレンス・フィッシュバーンが同じ画面に収まっていた瞬間。「本作は『マトリックス』外伝なのでは…?」なんて遊び心を感じましたよ。

まあ、そんなわけで。
修羅の修羅による修羅のための物語。
前作よりも敷居が高い作品なので気構えは必要だと思います。

そして、次回作の情報がちらりほらりと流れていますが…彼の“修羅道”は次回作で終わりを迎えるのでしょうか…?修羅の行き着く先は地獄だよ…なんてことにならなければ良いのですが…。

To be continued… →→→ 
『ジョン・ウィック3:パラベラム』
(2019年公開予定)
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