東京キネマ

ジョン・ウィック:チャプター2の東京キネマのレビュー・感想・評価

4.0
前作と変わらずのキレッキレのアクション、楽しいです。疑問だった、何故因果が消えなかったのかの解答はありませんでした。というより、因果に落ちずという前提で第2章(というより、後日譚です)に突入した感じです。

監督は解っているのかなあ、とは思ったのですが、ちょっと持ち上げすぎたようです。おそらく、日本的宗教観は、ただのファッションなのかも知れません。ただ、表現があまりにも上手いので、ちょっと穿って見てしまったんですよね。殺人シーンにしても、本来なら殺すだけで完了するんですが、必ず「武士の情け」が挿入されています。凄まじい殺し方をするんですが、苦しまず、相手の尊厳を守って殺すんですね。だから殺人が美しいんです。

西欧ロジックにないこういった行動美学が、この映画の最大の魅力なんだろうと思います。ちょっと面白かったのは、おそらく、前作の“こいつは、なんと鉛筆で屈強なマフィア三人を殺したんだぞ。たった鉛筆1本でだ!”に、そんなアホな!、のツッコミが相当あったんでしょう。“ほら、こうだったらリアリティあるだろ?”と解説アクション付きでネタばらしをしてくれてます。

それと、今回は契りの意匠として「誓印」が登場します。まあ、ぶっちゃけ、日本の血判状や兄弟盃のもじりなんですが、なんとジョン・ウィックはこの誓いを破る。どうなるジョン・ウィック!、ということで、嫌らしいことに第3章への予感をさせながらのエンディング。下品だけど、うまい。。。(笑)

監督さんは『マトリックス』などのスタント・コーディネーター出身ですから、アクションの見本市になっている面白さも当然あるんですが、日本武道の痕跡が随所に感じられて、それをアクションで解説して見せるから面白いんだろうと思うのです。

ということで、第3章も期待してます。
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