砂

ジョン・ウィック:チャプター2の砂のレビュー・感想・評価

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基本的なところは前作と全く変わっていない。正直ストーリーのネタバレに意味はないため端的に書けば闇社会の伝説的殺し屋が前作の因果もあり強いられた仕事を請け負った結果組織を追放されるまでの顛末である。
で、またもとことんCQBドンパチが繰り広げられる。

前作の華でもあったカーチェイスは冒頭から繰り広げられるがそこで終わり。あとはひたすらガンアクションであり、ひたすらガンアクションでしかない。最近の他アクション映画シリーズを観てないので何とも言えないのだが、昔と違って無駄な弾をバンバン撃たず的確にヘッドショット1発もしくは2発で仕留めるという、派手さよりプロフェッショナルな技巧が光る殺陣で見せる。

基本戦闘が淡泊なので飽きさせないようアクションのシチュエーションも色々なアイデアが出てくる。階段からスタイリッシュに何度も転がり落ちるシーン、レイヴのステージで観客が沸くシーン、地下鉄通路で歩きながら撃ち合うシーンなどおもしろいがやり過ぎてギャグになってしまっているシーンが多々あるのが設定やセリフ回しと相まって非常にマンガ的である。ファンにはすまないが正直なところ彼岸島を読んだ時のような笑いが起きた。

本作(というより現代娯楽アクション映画全般)の特徴として、カット数がとにかく多いことがあげられる。だいたいワンカットの秒数はカーチェイスで平均2秒、格闘シーンで3秒、会話でセリフ1回(会話すらしていない!)という驚愕の短さだ。逆説的に写真にキャプションをつけてそれをコマ送りで観ているともいえ、映像的な余白が全くそぎ落とされている。想像の余地を与えずひたすら視覚聴覚でゴリ押す、近代アクション映画のメソッドここに極まりといったところ。※別にけなしているわけではない
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