正直期待外れだった前作より格段にパワーアップした続編。今回の場合なら思う存分オーバーキルしていい。
前作およびシリーズの大きな売りとなっているガンカタは本作でも健在。しかしガンカタ以外のまFPS視点の如く雑魚キャラを仕留める構図は、シューティングゲーム好きな自分にとって満足のいくものだった。思い切り撃たれているのに、弾が貫通しないスーツという設定のせいで余計に無敵感の漂う主人公補正になっている。前作のような復讐ものというカタルシスを求めると、ガッカリすること請け合いだが、単純に華麗なるアクションを求めていた身としては前作以上にスタイリッシュなガンアクションが良かったと思う。人混みのなかサイレントガンで撃ち合うショットがかなりシュールかつ笑える。
また、ストーリーも難しすぎず丁度いい塩加減。伝説の殺し屋が、掟を破り全世界の殺し屋から狙われるという筋書きながら、衝撃のラストも楽しい。突っ込みどころは前作以上に満載だが、真面目にふざけているようで嫌いになれない。
続編の『パラベラム』が、馬やら刀やら本やらで完全にギャグに走り出したのようにみえて不安だが、このキアヌ・リーヴス50歳にして新境地をみせたシリーズだけに最後まで見届けたい。
