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真白の恋のcoroのレビュー・感想・評価

真白の恋(2015年製作の映画)
3.8
どこか雪深い国の民族衣装にも似た、色とりどりに彩られた衣装を纏い、薔薇の花びらでも浮かべたような赤い帽子と赤い自転車のよく似合う、水のように透明で、雪のように無垢な、ごく軽度の知的障がいのある(そう言われなければ分からないほど普通な)女の子(真白)が主人公。
この映画のために在るような景勝美溢れる富山のとある街で、家族や街の人々に優しく見守られながら穏やかな日々を過ごしている。
そんな彼女に訪れた初恋を応援してくれる人たちの気持ちも、心配する家族の気持ちも、何色にも染まっていない彼女の純粋さに触れたい写真家の気持ちも、普通だと言ってほしい真白の気持ちも、痛いほど伝わってくるからこそ辛い。





以下ネタバレ

真白の想いと彼の思いが違うってことを分かってはいながら、この叶わぬ恋がどこかで成就しないかと祈りながら見ていた。
" ありがとう " の言葉を残して小さく消えゆく電車と嗚咽の後の、うららかな彼女の笑顔の素敵なこと
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