カタパルトスープレックス

真白の恋のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

真白の恋(2015年製作の映画)
2.6
優しいけど残酷な世界、残酷だけど優しい世界。誰も間違ってないけど、正解なんてない。そういうテーマを感じました。そういう意味で「情」の映画。

真白がカワイクてオシャレなのがこの物語の土台にある。あまり可愛くなくて垢抜けない子だと(残酷だけど)成立しない映画だと思う。そして、オシャレの部分は東京から戻ってきた美容師のいとこの存在で説明がつく。そういう「理」もある。

ただ、なんかまとまっちゃってるんですよね。もうちょっとよって表情の変化を見たい。もっと人間のダメな部分も見たい。そういう人間っぽいところが引いて表現されてるのが物足りないですね。

他のユーザーの感想・評価

登場人物の心情など
一つ一つが丁寧に画かれ
そして押し付けがましくもなく
優しい気持ちになれる
そんな映画でした
真白が恋する彼は好い人で
障害なども理解し受け入れられる
そんな人
それでも結末は…
難しい問題
誰も悪くないのに苦しく
「どうしたら普通の人になれるの?」
の言葉には締め付けられました
雨の日はきらいじゃない。
自転車には乗れないけれど。

こんな日は、家でゆっくり映画を。
できれば邦画が良い。
雨のようにじわじわしみてくる。
心のすき間や欠けたところにしみてくる。

とても優しい。
でも優しいだけじゃない。
苦しさや辛さや悔しさも。
いっぱい泣いていいよ。

時間がゆっくり流れる。
風景が懐かしい。
ひとりの女性の成長の物語。
それに僕は励まされる。

邦画を好きになって良かった。

「真白の恋」20200216DVD
圭吾

圭吾の感想・評価

4.3
風景の綺麗さとか、控えめに盛り上げる音楽の感じとか凄い好き。あと配役が最高。
日本映画かくあるべし😭 見て!!
単なる街おこし映画というだけでなく、そこで暮らす人々と知的障害の女の子という主題がしっかりと描かれており、非常に良かった。

難しい役どころだったとは思うが、主役の佐藤ひとみさんが抜群にハマっていた。

監督自身は器用な印象を受けたので、商業の型にハマって小さくまとまるのではなく、これからもっと独自の世界観を表現して欲しい。
障害者だと、異性の友人を作る事も許されないのか。

親戚のお姉さんが真白の父と口論するシーンは素晴らしかった。

ただ普通に出会って、普通に友人として接していただけなのに悪者扱いされるなんて、家族の方がよほど腫れ物扱いしているように感じた。

「何をもって障害者なんですかね」
「どうやったら普通の人になれるの」

というセリフがいつまでも心に残った。
*キュンキュン映画*
ところで油井役の福地祐介がイケメンすぎるのだが。芝居もうまいし、声もいい。もっといろんな役が見たいから残って欲しい。
ゆきな役の岩井堂聖子、上手でした。

田舎の閉鎖的な人間関係は良くもあり胸糞でもあり。
港と運河のある街はどこでもこのような景観になるのだろうか。
(本城ドックに似ている。)
それでも、富山と言えばこの一本、という作品になるのだと思う。

「人を好きになるって苦しいね。」
「社会に適応できないという意味なら僕も自分のこと十分障害者と思いますけど。」
Arel

Arelの感想・評価

1.5
「障碍者扱いこそ侮辱」という主張の為に、両親が犠牲になっている。あの年齢で娘より先に逝く事が頭にないのは虚構
登山好きとしては、そのシーンほしかった。
自分と正反対の素直さがすごくよかった。
Evan

Evanの感想・評価

3.9
「色んな事がどーでも良くなって、色んな事がどーでも良くなくなったんだよね。」
この作品の監督&脚本家が次の公開待機作で南沙良さんを撮ってると聞いて。作品自体の評判は良かったので割と期待して見たけど本当に良かった...。

軽度の知的障害がある主人公真白とカメラマンの男の物語。
真白の両親は愛ゆえに娘を過保護に扱うが、いとこのお姉ちゃんが普通に真白を女の子として扱っている。普通に。このお姉ちゃんの存在が素晴らしい!

話としては派手なことが起こるわけでもないけども、しっかりとした演出、脚本。綺麗な富山のロケーションも映える。
終盤の「普通になりたい」と泣く真白に、ここまで着実な描写も合まって感情を持ってかれる。
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