福福吉吉

ゲヘナの福福吉吉のレビュー・感想・評価

ゲヘナ(2016年製作の映画)
3.0
◆あらすじ◆
土地開発会社のポリーナとタイラーはリゾートホテル建設のためにサイパン島に訪れた。2人は現地のコーディネーターたちとともに候補地のジャングルに入ったところ、地下施設を発見し、ポリーナたちは調査のために奥へ進んでいく。ポリーナたちはその地下施設で不可解な出来事に遭遇する。

◆感想◆
サイパン島でのリゾート開発のために訪れた人々が古い日本軍の地下基地に入ったことで呪いを受け、その基地に閉じ込められてしまう姿を描いたストーリーとなっており、そのリゾート開発の対象地が旧日本軍の占領地であり、現地の人たちにとって神聖な土地であることが示されることによって、呪いに深みを与えていました。

土地開発会社のポリーナとタイラー、カメラマンのデイブ、現地コーディネーターのアランとその部下のペペの5人がジャングルにあった地下施設に入り、瘦せこけた老人に襲われます。アランは反射的に老人を突き飛ばして、その老人が死んでしまいます。その後、地下施設内に轟音が鳴り、5人とも意識を失います。意識を取り戻した5人は地下施設から出られなくなり、そこから出口を探すことになります。ここまでが前半となっており、かなり多くの要素が盛り込まれていて謎が多いですが、テンポが速いため、深く考えることなく最後まで観られると思います。

意識を取り戻した後が本作の見どころとなっており、5人は地下施設の違和感と呪いによる幻覚に苦しみ、5人の人間関係が崩壊していきます。地下施設の状態が意識を失う前と後で変わっていることが映像で明らかなので、何が起こったのかはすぐに分かると思います。幻覚による窶れ果てた怪物のような人に襲われる様子はなかなか怖くて良かったと思います。しかし、本作は何よりアランという強欲で自分勝手な人物がいることで、それらの怖さよりもアランが暴走する怖さの方が大きかったです。アランの部下で現地民であるペペが呪いのなんたるかを語ろうとしても、アランが全てぶっ飛ばすので、いまひとつ呪いの恐ろしさが伝わってきませんでした。

ラストは良かったのか悪かったのか分からない感じで、ストーリーとしては綺麗に終わっているのですが、満足感は薄かったです。

しかし、旧日本軍占領時やスペイン植民地時のサイパンの歴史を絡めることでストーリーに捻りがあって良かったと思います。サイパンの民芸品であるボージョボー人形を絡めた「呪い」の要素も良かった。

普通に面白かったと思います。

鑑賞日:2024年8月5日
鑑賞方法:Amazon Prime Video
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