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彷徨える河のsonozyのレビュー・感想・評価

彷徨える河(2015年製作の映画)
4.0
コロンビアのシロ・ゲーラ監督の長編3作目。
1909年と1940年に著された2人の白人民俗学者によるアマゾン探検日誌にインスパイアされたという作品。

2人の学者は、1909年のドイツ人・テオドールと、1940年のアメリカ人・エヴァン。
この二つの時代をまたぐストーリー。

テオドールに救われ行動を共にしているマンドゥカという男が、重病のテオドールを連れ、カラカマテという一人で放浪生活を送る若いシャーマンの元を訪ね、彼の治癒を頼むが、白人に部族を全滅されたと言うカラカマテは拒絶。
だが、テオドールがつけていたペンダントの一件で、気が変わり、一時的な処置をし、病を治す唯一の手段、幻の植物ヤクルナを求め3人はアマゾンの大河を巡る旅に出る。

約30年後に同じ地にやってきたエヴァンが出会うのが、年老いたカラカマテ。記憶を失ってしまったというカラカマテだが、同様にヤクルナを見つける旅へ。。

白黒の映像美で捉えるマジック・リアリズム的世界に引き込まれます。

様々な先住民の部族。
ゴム採取の作業員として奴隷のようにこき使われ殺された先住民たちの白人への怨み。
ジャガーや蛇による神話、アニミズム。
チュジャチャキという不思議な概念(誰にでもいるという、中身が空っぽの幽霊のように漂う分身?)・・
果たしてヤクルナは見つかるのか。。

原題(英題)は「Embrace of the serpent(蛇の抱擁)」
アマゾンについての神話に絡んだものです。

カンヌ CICAE(国際アートシアター連盟賞)受賞ほか

ここのビジュアルもカッコいい。
立っているのが老いたカラカマテ。上で反転しているのが若いカラカマテ。
象徴的なアマゾン川と山。ジャガーの目。
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