ビフタネン

ハドソン川の奇跡のビフタネンのレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
4.2
本作を観るタイミングを逃し
上映回数も限られる中
遠方のレイトショーへ。

渋滞で上映時間ギリギリに到着。
チケット売り場には誰も居ない。
苛立つ。ギリギリに到着したくせに...

さておき
イーストウッド御大による本作は
ニュースでも話題になり、僕でも
結論を知っているお話なわけですが...

過去と回想と現実を不規則に
見せる事で僕の心を惹きつける。

水上着陸は長年培って来た経験があるからこそ起こりうる判断ミスだったのか?観ている僕もサリーさん自身の心も揺れ動く。

だが全体的に漂う雰囲気は
とても優しい。

調査委員会はとにかく厳しいが
実際の内部監査的な方々は人情を敢えて排している様なあんな感じですね...
まぁあそこまでヒアリングしておきながら、人的要因や判断時間を加味していないザルなシュミレーションには驚きましたけどね。
ふざけんな( ゚д゚)、ペッ

しかし『彼らも仕事だから』の一言で応じるサリーさん。
取り巻く環境が目まぐるしく変化しつつテレビにも笑顔で出演するサリーさん。
とにかく優しいサリーさん。

そしてイーストウッドのフィルターを通したアメリカもどうも他の映画とは違う。
優しい!
気がする。

起きた事象から希望や良心を
抽出する匠の技。
僕はアメリカ人の気持ちも理解していないし絶望もしていないが
まだ捨てたもんじゃないなどと偉そうに思ってしまう。

全ての歴史的出来事をイーストウッド御大に映画化して頂けたら
色々な見方が変わりそうだ。

そこで終わるんかい!な着地点もその後のエンドロールも音楽も抜群。

最高の余韻。
人気の無いレイトショーで見て良かった。

鑑賞前の苛立ちが恥ずかしくなり
帰り道はめっちゃ安全運転になる
とにかく優しい映画でした。

おしまい。
ビフタネン

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