17年に観た映画だったがレビューし忘れていたので再視聴。
さすがクリントイーストウッドといったところか。洗練という言葉がドンピシャで、短い時間の中何も無駄を映すことなく描ききっている。
作中延々と社会にトムハンクスが責め立てられ続け、観ている方まで鬱屈とさせられる。しかし主人公の持つ気高い精神、信念の揺るぎなさが最後に気持ち良いほどのひっくり返しを見せてくれ全部が救われた気分になる。時系列を単なる記述に止めなかったのは完全に正解で冬のハドソン川のように、作品中途切れることなく冷たい緊張が続く映画だった。
経験者や実物を合間に差し込んでいくことでフィクションとノンフィクションの境を曖昧にさせ没入させていく力は尋常の業ではない。