三郎丸

ハドソン川の奇跡の三郎丸のレビュー・感想・評価

ハドソン川の奇跡(2016年製作の映画)
3.8
空港勤務者の立場(端くれも端くれです…)で鑑賞!

ストーリーは…
2009年1月15日、155人を乗せたUSエアウェイのA320型機はニューヨーク・ラガーディア空港離陸直後に鳥の群れと衝突。
バードストライクで左右2発のエンジン両方が停止。 高度1000mに達する前に推力を失う…
機長サリー(トム・ハンクス)は空港に引き返すのは無理と判断。
人命を救う策として、機長はハドソン川への着水を決行、結果155人全員の命が救われた。
マスコミは機長を称賛し、英雄扱いするも、その裏で事故調査委員会は
【機長の判断ミスが生んだ事故】
という疑念を機長に突きつける。実は専門家の間で
「空港に帰れたのでは?」
という意見から、機長がヒーローから一転批判を受ける立場に…
空港への帰着可能だったのか、はたまたハドソン川へのダイブが正解だったのか果たして…!

日本の報道はワタシも拝見していたのですが、
「奇跡の生還」
的な美談ニュースに終始していた記憶です。が、アメリカでは大問題になっていたのですね…
事故調査委員会は今後の航空機の安全のため
【客観的に検討】
しなきゃあいけないです…が、
「おいおい!言い過ぎでねーの!?」
と反発を覚えるものの、言っていることは意外と論理的なので、主人公に迫る事態の強い切迫感が生まれて作品が締まります。
本作のベースとなっている実話が、映画化するようなドラマチックで興味深いものであることから、鑑賞者は作品の結末までグイグイ引っ張られるように見れます。さすがイーストウッド監督!着眼点が良いです。

ストーリーはドキュメンタリーではなく、
【離陸から事故発生、救出、事故調査委員会の初動から結論まで】
をめまぐるしい形で時間を前後させて見せる形式でした。 
基本的には事故調査委員会の調査の展開がストーリーの基軸なんですが、作品を複雑化させず、上映時間も短い!トムハンクス出演作品には珍しく1時間半に満たない!
ってのが素晴らしい。 

トム・ハンクスの抑えが効いた名演も作品を支えていました。

この作品のキモ
【機長の判断】
は、ワタシは熟練の賜物ではないかと思います。
どんな仕事でも、自分が判断しなければならない事ってのがありますし、数々の経験によって導きだされる
答えがあると思います。
見終えて、ワタシはスッキリとしました!

オマケ
日本では、バードストライク対策で、空港公団が車両巡回して、滑走路付近で鳥の群れを発見時にゴム弾で威嚇射撃して鳥が逃げるようにしていたハズです。(それでも今作と同じ事例はあるのですが…)
まあ、航空機のメンテトラブルなんざチョイチョイありますし、エンジントラブルも某外資系航空機なんかエンジンのふた開けてチェックだけして飛んでくなんて事もあります。
パイロットも、ロン毛で不良中年みたいなのいますし…
色々言い過ぎたかもですが…機長を信じて飛行機に乗りましょう!(笑)
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