回想シーンでご飯3杯いける

ビジョンの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

ビジョン(2015年製作の映画)
3.3
僕には昔から何度も見てしまう夢がある。それは「人を殺して埋めた事がばれそうになる夢」。殺した相手は大抵知り合いで、とても気まずいムードになる。

このインド映画は、僕の悪夢そのもの。女子学生の着替えを盗撮した少年が、思いがけない展開から殺されてしまう。女子学生の父親は映画マニアのテレビ局員で、少年の母親は警察の幹部。各々の知力を尽くした家族ぐるみの探り合いがエスカレートしていく。

インド映画でありながら、盗撮や殺人が題材という事で、韓国の所謂胸糞映画にも通じるテイスト。アリバイ作りや探り合いの駆け引きを存分に楽しめる。どんでん返しもあって日本人にもウケそうな感じだ。

ただ、展開や台詞がやや生真面目過ぎて、狂気みたいなものが感じられないのは残念。それから、「踊らないインド映画」みたいなカテゴリーで括るのはそろそろ止める。この国の映画は踊る or 踊らない、どころか、様々なタイプの映画が作られている。どんな手法でも取り入れていく貪欲さが魅力。