佐藤でした

アノマリサの佐藤でしたのレビュー・感想・評価

アノマリサ(2015年製作の映画)
5.0
カスタマーサービス分野で名を馳せ、本も多数出版しているマイケル・ストーン。しかし、彼自身は人生に何の刺激も感じられずにいた。定期的におこなっている講演を明日に控え、今夜のホテル泊まりも退屈に思っていた…。

オトナの玩具のお店に入り、まっすぐカウンターに行って「息子のヘンリーに何かオモチャが欲しい。いま海賊に夢中なんだ」ってセリフで爆笑しちゃったR-15指定の長編ストップモーションアニメ。

50代くらいのおじさんが主人公です。

飛行機の機内やホテルの部屋での「あるある」を盛り込み、家族との遠距離電話や、昔の彼女との再会、宿泊女性2人との新たな出会いなどを坦々と描いていく。
カウフマンのことだし手間をかけて作っているのだろうなぁ、などと思いながら (早くメイキング映像が見たい…) という手法への興味だけがどんどん募る。

まず女性なのに吹き替えの声が男性である謎。オカマってわけでもない。声だけが男だとわかるのだ。それが最大の謎、と思ったら容姿と声が一致した女性が登場し、謎が謎を呼ぶ。のですが、

!!!

そういうことか!!!
カウフマンは!!!
新作で!!!
またそういうことを!!!
わー!!!うわー!!!
(感激!!!)

…ある意味で「第四の壁」を越え…かけて、
第三.五の壁との間に、留まっての、精神世界での話、っていうのかな!違うかな!

ネタバレ避けたらこんなことしか書けませんが、
つまりは、最高でした。今年イチの5.0。

ストーリーよりも
優れた撮影技術に興味がいき
技術の凄さに目が慣れてしまった頃
描きたいとする精神世界の在りかに驚かされ
その斬新さに唖然としている間に
見慣れた風景の中に着地されて

マルコビッチや
脳内ニューヨークの
結末の普遍性を思い返し

…!!!


そしてこの手法をとったことにも合点がいくという寸法。
佐藤でした

佐藤でした